米10年債利回り、3年ぶりに5%台へ SOX指数は約6%急落
AI マーケットサマリー
金利の急激な再評価がリスクオフ局面を招いた。米10年債利回りは一時的に5%を上回り、FRBの利上げ確率が大きく上昇し、株式とデュレーションの長いハイテク株を圧迫した。半導体が下落を主導し、AI関連の\u0022減速\u0022というナラティブと広範なチップ/光学関連の弱さを背景に、フィラデルフィア半導体指数は約6%下落した。原油の地政学的な買いがインフレリスクを加え、ソフトウェアとサイバーセキュリティが相対的に堅調だったにもかかわらず、バリュエーション圧縮の力学を強めた。
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【Tide Research】週明けの米株式市場は主要3指数がそろって下落した。ダウ工業株30種平均は0.29%安の52,421.20、S&P500は0.48%安の7,619.98、ナスダック総合は0.56%安の26,186.41で引けた。恐怖指数とされるVIXは約8%上昇し17.10。
米国債市場では長期金利の上昇が重荷となった。米10年債利回りは取引時間中に5.017%まで上昇し、2023年10月以来の5%台を記録。その後は5%を割り込み、終値は4.992%だった。米30年債利回りも一時5.386%まで上昇。10年債利回りはこの1カ月でおよそ25bp上昇している。
CMEの"FedWatch"によると、9月会合で政策金利が据え置かれる確率は7.6%にとどまり、累計25bpの利上げ確率は92.4%まで上昇。10月時点で累計50bpの利上げとなる確率は44%に達した。モルガン・スタンレーのエコノミストは9月と12月に各25bpの利上げを見込む。ゴールドマン・サックスも先週金曜、据え置き見通しを取り下げ、9月に25bp利上げを予想へと修正した。
長期金利上昇の背景には複数の材料がある。8月のCPI・PPIはともに市場予想を上回り、コアCPIは前月比0.3%上昇(予想0.2%)。通信サービス価格は単月で5.94%急伸し過去最高となった。財政面では政府債務の拡大が続き、純利払いが1兆ドルを上回る水準に達しており、超長期債の価格形成には"債務スパイラル"への警戒が映りやすい。中東情勢の緊張で原油高が進み、インフレ期待の押し上げ要因にもなっている。
株式ではAI関連の"転換点"が週末に意識され、月曜の取引で半導体・光通信に売りが集中した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は5.92%安の10,689.46。構成30銘柄のほぼすべてが下落した。エヌビディアは3.36%安の210.96ドル、ブロードコムは3.6%超安、AMDは4%超安、インテルは5%超安、マーベル・テクノロジーは7%安。メモリ関連も弱く、SKハイニックスは7%超安、マイクロン・テクノロジーは6.7%近い下落。サンディスクとウエスタン・デジタルもそれぞれ5%超下げた。光通信も急落し、コーニングは12%超安、コヒレントは12%超安、ルメンタムは約10%安となった。
一方でソフトウエアとサイバーセキュリティは逆行高となった。ServiceNowは5%超高、アドビは約4%高、Workdayは2%超高。サイバーセキュリティではパロアルトネットワークスが13.2%高、クラウドストライクが13.9%高と突出した。テクノロジーセクター内で、資金が半導体・光通信からソフトウエア・セキュリティへ移る動きが目立った。
大型ハイテクはまちまち。グーグルは3%超高、メタは2.7%超高、マイクロソフトは約2%高。アップルは0.24%高の333.08ドル。アマゾンは1.26%安、テスラは1.77%安。Windi米テック7指数は0.07%高。中国株は底堅く、ナスダック中国ゴールデンドラゴン指数は0.36%高、愛奇芸(iQIYI)は4%超高、網易(NetEase)は2.06%高となった。
地政学リスクも市場の主要テーマだった。ブレント原油は取引時間中に109ドルを上回り、トランプ氏はイランが"合意を強く望んでいる"と発言。イエメンのフーシ派武装組織はサウジアラビアのハミス・ムシャイトの空軍基地に対し弾道ミサイルとドローンを多数発射したとされ、中東の供給不安が意識された。原油先物は急伸し、ブレントは一時4.96%高で1バレル109.80ドル、WTIは一時4.9%高で104.95ドルまで上昇。終値はNYMEXの10月WTIが1.34%高の101.39ドル、ロンドンの11月ブレントが1.02%高の105.68ドルだった。
時間外では緊張緩和期待も浮上した。トランプ氏はSNSでイランが"できるだけ早く合意したい"として、合意意欲は"非常に切迫している"と投稿。13日のアイルランド訪問時には、イランとの対立は11月の米中間選挙後に終結し、その後"ガソリン価格は急速に低下する"とも述べた。地政学リスク・プレミアムは、供給途絶リスクの現実と交渉進展への期待の間で振れやすい状況にある。
金利上昇は金融株の重荷にもなった。バンク・オブ・アメリカは5%超安。モイニハンCEOは第3四半期の投資銀行手数料が前年同期比で減少する見通しを示した。ゴールドマン・サックスは約4%安。JPモルガン、シティグループ、ウェルズ・ファーゴもそろって1%超下落した。
商品・暗号資産は明暗が分かれた。米長期金利上昇とドル高が貴金属を圧迫し、金スポットは1オンス4,300ドルを割り込み、取引中の安値は4,281.64ドルと1.5%超下落。銀スポットは2.4%超安となった。欧州債も売られ、英国10年国債利回りは2007年7月以来の高水準となる5.4107%を記録。イタリア2年債利回りは1日で10.8bp上昇した。
暗号資産は貴金属と逆の値動き。ビットコインは78,096ドルを上回り24時間で1.7%高。イーサリアムは2,524ドルまで上昇し24時間で1.59%高。地政学リスクと金利上昇の二重の逆風の中でも、ビットコインは78,000ドル台を維持した。
【本日の注目点】
・半導体株急落の持続性:SOXは月曜に5.92%安、メモリ指数は6.1%安、光通信の一部銘柄は10%超下落。火曜の値動きが、短期的な感情的売りの出尽くしなのか、トレンド型の調整入りなのかを左右する。AIインフラの受注データはなお検証途上で、業績ファンダメンタルズとバリュエーション圧力の綱引きが焦点となる。
・米10年債利回りは5%を定着できるか:月曜は5.017%まで上昇後、4.992%に反落。5%は2023年10月以降の重要な節目で、火曜に上昇基調のまま上抜けが定着すれば、高バリュエーション資産に再び評価圧縮が及ぶ可能性がある。FRB会合を控えたポジション調整も利回りの振れを大きくし得る。