米30年債入札、最高落札利回り5.216% 15年以上ぶりの高水準

米財務省が13日に実施した30年国債入札で、最高落札利回りは5.216%となった。長期金利が5%台を明確に上回る水準での落札は、15年以上ぶりの高水準となる。入札規模は250億ドル。CUSIPは912810UW6で、8月17日に受渡し、最終償還は2056年。 足元数カ月の推移をみると、同年5月の30年債入札は5.046%、7月は5.058%だった。今回8月は5.216%まで上昇し、3カ月で約17bp上がった計算になる。落札利回りが流通市場の水準に近かったことから、需要は大きく崩れなかったと受け止められる。 利回り上昇の背景として、市場では主に2点が意識されている。1つは財政要因で、連邦政府の恒常的な財政赤字を賄うため国債発行が継続する中、供給増を吸収する投資家はより高い利回りを求めやすい。もう1つはインフレ懸念で、長期の物価上昇を見込む投資家は購買力の目減りに備え、名目利回りの上積みを要求する。2056年償還の長期債には、長期にわたるインフレリスクに見合う利回りが必要になる。 投資家・市場への含意も大きい。30年米国債で5.216%は近年の水準からみて魅力的で、約10年前には同年限が2.5%程度にとどまっていた時期もある。30年にわたり5%超の利回りを確定できることは、年金基金や保険会社、負債対応を重視する運用にとって選好されやすい条件だ。 無リスク金利が上がれば、株式や不動産などリスク資産に求められる期待収益率も切り上がる。株式は5%超の代替投資と比較してバリュエーションの正当化が厳しくなり、不動産ではキャップレートに上昇圧力がかかる。利息収入を生まない暗号資産も機会費用の観点から相対的に不利になりやすい。株式では割引率の上昇が将来利益の現在価値を押し下げ、遠い将来の成長を織り込みやすいグロース株ほど影響を受けやすい。