米財務省、2020年の"個人ウォレット"送金追跡案と暗号資産ミキシング報告案を撤回
AI マーケットサマリー
FinCENは、非カストディアル・ウォレット(unhosted wallet)送金および特定の暗号資産ミキシング活動に関する報告義務を拡大する内容となっていた2つの規則案を撤回し、オンチェーンおよびセルフカストディのユースケースに対する足元の規制上の重荷を軽減した。この動きは、既存のSARおよび制裁に関する義務を維持しつつ、"目的適合(fit-for-purpose)"のデジタル資産政策へのシフトを示唆している。ミキサーは引き続き法的および執行上の焦点である一方で、仲介業者にとって当面のコンプライアンス負担は緩和された。
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米財務省は、個人が自己管理する暗号資産(仮想通貨)ウォレットを介した送金を追跡するために2020年に提示していた規制案を撤回した。財務省のマネーロンダリング対策を担う金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、同案について今後の対応を行わないとした。FinCENは同日、暗号資産の"ミキシング"を対象とする別の規制案も撤回した。
撤回は、10月6日に官報(Federal Register)へ掲載された時点で効力を持つ。個人("unhosted")ウォレットとは、銀行や取引所に預けるのではなく、利用者がアプリやデバイス上で自らコインを保有・管理する形態を指す。
2020年案では、銀行や暗号資産取引所に対し、こうしたウォレットが絡む3,000ドル超の送金について顧客確認と記録保存を義務付ける内容だった。さらに、10,000ドル超の送金、または24時間以内の複数回送金の合計が10,000ドルに達した場合、FinCENへの報告が発生する想定だったが、同規則案は発効しないまま終わった。
FinCENの提出書類によると、撤回の狙いは、デジタル資産関連のルールを"fitforpurpose"(目的に適合)に保つことにある。根拠として、2025年7月のホワイトハウスによる暗号資産報告書が挙げられた。FinCEN資料の抜粋では、トランプ政権が、公共ブロックチェーン上で合法的なデジタル資産利用者が私的に取引できる能力を支持しているとも記されている。
同時に撤回されたのは、資金の出所を見えにくくするために多数の利用者のコインを混ぜ合わせる"ミキシング"に関する2023年案だ。国外との関係が疑われるミキシングについて、企業に報告義務を課す内容だった。財務省の規制アジェンダでは、同案は最終化の時期として2027年12月がなお記載されていた。
FinCENは、パブリックコメントでミキシングの定義案が正当な活動を萎縮させかねないとの懸念が示されたと説明。一方で、ミキサーが不正主体に利用され続けているとも指摘し、将来的に措置を講じる可能性を残した。
ミキシングを巡っては司法当局の追及も進む。開発者のRoman Stormは、イーサリアム基盤のミキシングサービス"Tornado Cash"を巡り、2027年4月に再審理を控えている。
不審行為報告(SAR)や制裁スクリーニングなど、既存の義務は引き続き有効。ビットコインの送金はすべて公開台帳に記録され、ウォレット間の支払いは追跡可能な状態が維持されている。