米財務省、暗号資産で200万ドル超を移動させたハマス資金調達ネットワークを制裁対象に

AI マーケットサマリー
米財務省(OFAC)は、偽装慈善団体および暗号資産ウォレットを通じて200万ドル超を資金移転したとされるハマス関連の資金調達ネットワークを制裁対象に指定し、暗号資産を利用した制裁回避に対するより広範な取り締まりを拡大した。これらの指定により米国関連資産が凍結され、仲介者に対する二次制裁リスクが高まり、取引所、ウォレットサービス、決済レールに対するコンプライアンス圧力が強化される。短期的には、暗号資産市場全体で規制およびカウンターパーティーリスクに対する認識が高まる。
影響度
● 普通
影響を受ける資産
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米財務省は10月2日、ダミーの慈善団体と暗号資産(仮想通貨)ウォレットを通じてハマスに200万ドル超を送金した資金調達ネットワークを制裁対象に指定した。外国資産管理局(OFAC)が発表した。 今回の措置は、FBIが主導する複数法域にまたがる捜査の一環。ガザを拠点とするハマス軍事部門の幹部1人、フランス在住の資金集め役2人、両者が運営していた2つの慈善団体をブラックリストに加えた。 OFACが指定したのは、ハマスのアル・カッサム旅団で大隊副官を務めるSaleem Abdallah Saleem alZaq。財務省によると、alZaqは資金移動業者(マネーサービス事業者)と暗号資産ウォレットを使って組織への資金移転を担う金融ネットワークを監督していた。alZaqはハマスのメディア部門で写真家としても活動し、幹部に近い公式行事に出席していたとされ、組織内での信任の厚さがうかがえるという。 制裁対象には、フランスで慈善団体を装って活動していたとされるFaouzi BarikaとAmel Oualid、ならびに両者が支配していたAssociation BarakaとEnsemble C Mieuxも含まれる。 財務省によれば、2020年から2026年にかけてBarika、Oualid、alZaqはハマス向けに200万ドル超を集め、そのうち約150万ドルは2023年10月7日のイスラエル攻撃後に集められた。資金集め役2人は暗号資産で数十万ドルをalZaqに送付し、alZaqがアル・カッサム旅団へ資金を流したとされる。alZaqは自身のSNSで寄付用アカウントの周知も行っていたという。 Scott Bessent財務長官は声明で、「ハマスのようなテロ組織は、巧妙な資金仲介者や、一般の善意につけ込む不正スキームに依存して活動を維持している」と指摘。「財務省は、ハマスが生き延びるために必要とする資金の生命線を提供する者を特定し、孤立させ、責任を負わせ続ける」と述べた。 今回の案件は、暗号資産を介した制裁逃れに対する米国の取り締まり強化の流れに連なる。今週指定された、ATM強盗資金を暗号資産で洗浄したTren de Araguaネットワークへの制裁や、ハマスに関連する暗号資産56万ドルの押収に続くもの。 指定は改正後の大統領令13224号に基づく。対象となった個人・団体の米国内資産は凍結され、これらと重要な取引を認識しつつ仲介する外国金融機関には二次制裁が科されるリスクがある。