米9月雇用統計が市場予想を下回る ナスダックは取引時間中に最高値、G7は戦略備蓄の放出を発表
AI マーケットサマリー
9月の米国非農業部門雇用者数は予想を大きく下回り、短期的なFRB利上げ確率を押し下げ、当初はリスクオンの動き、米ドル安、デュレーションの上昇を促したが、その後はインフレおよびタームプレミアムへの懸念から利回りが反転して上昇した。G7が戦略備蓄から1億バレルを放出する計画は、日中の原油に下押し圧力をかけ、ディスインフレの物語を補強した。このセッションでは分断が際立ち、AI/テックが株式を押し上げる一方で、マクロ資産は変動が続き、DXYは1年半ぶり高値から後退した。
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CoinDeskによると、米9月雇用統計の弱さを受け、米株は主要3指数がそろって上昇した。ナスダック総合指数は取引中に史上最高値を更新し、週間でも3週連続の上昇となった。一方、S&P500とダウ平均は日次で2日続伸したものの、週間では下落で終えた。
4日の米株終値は、ダウ平均が0.49%高の51,176.96、S&P500が0.73%高の7,722.72、ナスダック総合が1.19%高の27,190.86。ナスダック100も取引中・終値ともに最高値を更新し、1.0%高の30,817.93で引けた。取引中の高値は31,017.52(1.7%高)だった。
個別では、AI関連の強さが目立った。ブロードコムが3%超上昇、テスラは約5%上昇。半面、ナイキは決算を受け3.6%安。ストレージ系では、東芝がAIデータセンター向けに従来型HDDの生産能力を2027年度までに倍増させる計画と日経が報じ、供給増による需給緩和懸念が広がったとして、シーゲイトとウエスタン・デジタルがそれぞれ約10%下落した。
セクター別では、フィラデルフィア半導体株指数が2.4%高。30銘柄中下落は4銘柄にとどまった。アームが5.18%高、ブロードコムが3.35%高、ASMLが3.25%高、AMDが2.95%高、ラム・リサーチが2.17%高、アプライド・マテリアルズが2.03%高、インテルは0.56%安。光通信関連も総じて堅調で、Roundhill Photonics & Optics ETF(LYTE)は3.09%高、AAOIは7.71%高、Coherentは5.59%高、CRDOは4.03%高、Lumentumは3.79%高、コーニングは2.35%高だった。
米労働省が発表した9月の非農業部門雇用者数は前月比2.9万人増と、市場予想の9.0万人増を大きく下回った。8月分は16.2万人増から13.3万人増へ下方修正。失業率は4.2%に上昇し、平均時給の前年比伸び率は3.0%へ鈍化した。これを受け、市場が織り込む10月の利上げ確率は、発表前の約26%から約20%〜21%へ低下した。
金融市場は発表直後、株高・ドル安・米国債利回り急低下で反応したが、その後はV字で巻き戻し、長期金利は上昇に転じた。米10年債利回りは一時日中の低水準を付けた後、10bp超反発。欧州時間に5.16%を下回って日中安値を付けたが、米時間の昼頃には5.30%まで上昇し、前日高値の5.34%(2002年以来の高水準)に接近した。米2年債利回りも一時4.70%(9月21日以来の低水準)まで低下した後、4.85%へ戻した。
市場では、雇用減速がFRBの追加利上げ圧力を和らげるとの見方で当初は国債買いが優勢だったものの、エネルギー価格、インフレ期待、財政赤字、国債増発、タームプレミアムといった要因が改めて意識され、長期金利の上昇圧力は消えていないとの指摘が出ている。
週間では、米10年債利回りは約12bp上昇し、5週連続上昇(2024年11月以来の最長)。一方、米2年債利回りは約3bp低下し、6週連続上昇が途切れた。短期は利上げ観測の後退を映す一方、長期はインフレ・供給要因とタームプレミアムが重荷になっている構図が鮮明になった。
欧州債市場の不安定さも続いた。フランスとドイツの10年債利回り格差は、2011年以来の水準まで拡大。フランス2年債利回りは取引中に3.84%まで上昇し、ドイツ2年債利回りは2.94%〜3.06%で推移した。過去1週間では、ドイツ2年債利回りは約25bp低下した一方、フランス2年債利回りは約14bp上昇。市場の関心はフランスの財政事情と政治的不透明感に集まっている。
為替は、雇用統計後にドル安が進行。ICEドル指数(DXY)は米時間の昼頃に101.67まで下落し、前日比で0.4%超の下げとなった。前日の102.20は2025年4月以来の高値。4日連続上昇後にこの日は反落したが、週間では上昇し、3週連続高となった。ドル円は157.00を割り込み、156.37近辺まで下落して日中で0.7%超のドル安・円高。ユーロドルは1.1286まで上昇し、前日に付けた2025年5月以来の安値から持ち直した。オフショア人民元(CNH)はアジア時間に6.7175までドル高が進んだ後に反転し、米雇用統計後に上昇が加速して6.7008近辺まで接近、9月23日以来の高値を付けた。
暗号資産はビットコイン(BTC)が欧州時間に87,100ドルを上回り、9月23日以来の高値を記録。ただ、米株開始後は上げ幅を縮小し、昼頃には83,900ドルを下回って日中安値を付けた(高値から3,000ドル超、約4%下落)。米終盤では84,400ドルを下回り、24時間で約0.5%安、週間で約0.5%高となった。
エネルギーは、G7が国際エネルギー機関(IEA)を通じ、戦略備蓄から原油・石油製品計1億バレルを4カ月にわたり協調放出すると発表。ディーゼルなど製品在庫を含むとしている。これを受け、WTIは一時1バレル当たり88.06ドル近辺まで下落し、日中で5%超下げた。ブレントも98.40ドル近辺まで下落し、下げは約4%に迫った。終値はWTI11月限が1.90%安の91.11ドル、ブレント12月限は0.06%安の102.25ドル。期近ベースの週間ではWTIが約1.41%安で2週続落、ブレントは約4.94%高で2週続伸となった。市場では、足元のエネルギー需給の焦点が原油だけでなく精製能力やディーゼルなど製品供給にも移っているとの見方が強い。
貴金属は、雇用統計後にいったん上振れしたものの、その後は米金利の戻りとともに反落。金先物は一時4,259ドル近辺まで上昇して1%超高となり、現物金も4,220ドルを一時上回ったが、米株開始前後から下落に転じた。COMEX10月限金先物は0.94%安の1オンス当たり4,133.7ドルで引け、8月4日以来の安値。週間では3.59%安と、6月5日以来の大幅下落で2週続落。銀先物(COMEX10月限)は1.23%安の59.977ドルで、8月3日以来の安値。週間では6.68%安と、6月26日の週以来の下げ幅となった。銅先物(COMEX10月限)は0.15%高の1ポンド当たり6.492ドルと小幅反発したが、週間では3.1%安で、6月26日の週以来の下落となった。
今週の市場テーマは、単純な"リスクオン"ではなく、AI関連テック株とマクロ資産の分断が目立った。週間のセクター別ではテクノロジーが最も強く、金融とヘルスケアが出遅れ。KBW銀行株指数は週間で2.78%下落した。
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