米国の6月雇用者数は5.7万人増にとどまる 失業率は4.2%へ低下
米労働省労働統計局(BLS)が7月2日に公表した雇用統計(Employment Situation)によると、6月の非農業部門雇用者数は前月比5万7,000人増にとどまった。市場予想(11万〜11万4,000人程度)を大きく下回り、ほぼ半分の水準となった。
失業率は5月の4.3%から4.2%へ小幅に低下。失業者数は約710万人で概ね横ばいだった。5月は改定後で17万2,000人増となっており、6月は月間の雇用創出が約67%減速した計算になる。
民間部門の雇用動向を示すADP全米雇用報告は民間雇用が9万8,000人増と伸びの鈍化を示していたが、それでも今回の弱さは市場の想定を超えた。人口増を踏まえると、米国経済は月間でおおむね10万〜15万人程度の雇用増が必要とされる。6月の5万7,000人増では、新規労働力の流入を吸収するのに不足する水準となる。
FRBと暗号資産市場への示唆
6月統計を受け、労働市場の減速が金融緩和の判断材料になり得るとして、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が強まっている。金利が低下すると市場の流動性が増えやすく、米国債など安全資産の利回りが下がれば、投資家は相対的にリターンを求めて資金配分を見直しやすい。雇用統計はFRBの政策期待を通じて金利見通しに影響し、その結果として市場に滞留する資金量が変化し、ビットコインやイーサリアムといったリスク資産に向かう資金フローにも波及する。
投資家が注視すべき点
雇用増加は2カ月連続で鈍化し、6月は5月(17万2,000人増)から大幅に落ち込んだ。一方で、景気の弱含みが暗号資産にとって常に追い風とは限らない点には注意が必要だ。利下げは支援材料になり得るものの、労働市場の悪化が景気後退のサインであれば、リスク選好は急速に冷え込みかねない。2022年の局面が示したように、暗号資産は経済的な痛みへのヘッジとして機能しないこともあり、局面によっては変動を増幅する可能性がある。