米国の現物ビットコインETF、5日間で8.535億ドル流入 追加利上げ観測の後退が追い風
AI マーケットサマリー
米国の現物ビットコインETFは5セッションで純流入が8億5,350万ドルとなり、前週の流出から反転し、累計流入は521.8億ドルに達した。資金フローはブラックロックのIBITに大きく集中(約80%)しており、広範な買いではなく、選別的な機関投資家需要を示唆している。米国の雇用指標が軟化したことで短期的な利上げ確率が低下し、リスク選好を支えたが、長期金利の高止まりと日次流入の鈍化により、マクロ環境への感応度は依然として高い。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
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米国の現物ビットコインETFは先週、5営業日連続で資金純流入となり、合計8億5,350万ドルを集めた。前週の6,150万ドルの純流出を打ち消し、上場来の累計純流入は521億8,000万ドルに拡大。週明け月曜朝のビットコインは6万5,000ドル近辺で推移した。
資金流入を牽引したのはブラックロックのIBITで、週合計約6億9,000万ドルと全体の約8割を占めた。金曜日単日ではIBITが8,670万ドル、フィデリティのFBTCが4,100万ドルの純流入。一方、インベスコのBTCOは1,940万ドルの純流出、ヴァンエックのHODLも1,060万ドルの純流出となった。幅広いETFへの一斉流入というより、特定商品への選好が際立つ構図だ。
日次の流入ペースは週後半に鈍化し、木曜日の1億2,870万ドルから金曜日は9,890万ドルへ減速。ETF全体の運用資産残高は795億ドルで、ビットコイン時価総額の約6.1%に相当する。
背景には米金融政策見通しの変化がある。米国では7月の雇用が市場予想(9万5,000人増)に反して2万3,000人減となり、CME FedWatchが示す9月利上げ確率は金曜日に55%から40%へ低下。その後、月曜日には46%へ持ち直したものの、追加利上げ観測は後退した。
HashKeyのリサーチャー、Tim Sun氏は、AI関連株の軟化で混雑度の高い領域から資金が離れ、相対的に資金が向かいやすい資産へ回る可能性に言及。テクニカル面では6万0,000〜6万1,000ドルが繰り返し試されているサポート水準だと指摘した。
ただし、市場の評価は割れている。Sun氏は、利上げリスクが残り、長期国債利回りも高止まりしているとして、今回の資金流入だけではトレンド転換の確証に欠けると警戒する。CoinSharesのJames Butterfill氏はより前向きで、サイクルの安値圏は通過した可能性がある一方、2〜3カ月はレンジ推移が続き、最大で8万ドル方向を意識する展開もあり得るとの見方を示した。
総じて、資金は戻りつつあるものの、マクロ環境の圧力が本格的に和らいだと判断するには材料不足だ。投資家は、今回の動きを持続的なビットコイン上昇局面とみなす前に、政策見通しと金利環境のさらなる改善を見極める必要がある。