タイ、ビットコインなど暗号資産の譲渡益を5年間非課税に(税率0%)
タイ政府は、ビットコインを含む暗号資産(デジタル資産)の売却によるキャピタルゲインについて、個人所得税を5年間免除する措置を正式に導入した。適用期間は2025年1月1日から2029年12月31日まで。2025年6月17日前後の閣議承認を経て、2025年9月5日に省令(Ministerial Regulation)第399号として制度化された。
非課税(0%)の対象となるのは、タイ証券取引委員会(SEC)の認可を受けたプラットフォームを通じた取引に限られる。無認可の取引所での売買、暗号資産に関する海外所得、要件を満たさない取引は対象外で、通常の個人所得税率が適用される。税率は最大35%に達し得る。
タイの税制優遇は今回が初めてではない。2024年2月には、暗号資産の利益に対する付加価値税(VAT)7%を免除しており、今回のキャピタルゲイン免税はその延長線上にある。
今回の措置は、タイ証券取引所で取引される伝統的な証券のキャピタルゲインと、暗号資産の課税扱いを揃える狙いがある。ジュラプン・アモンウィワット副財務相は本施策の効果を強調しており、政府試算ではデジタル資産分野全体からの税収が中期的に10億バーツ(約3,000万ドル)を超える可能性があるとしている。
投資家にとっては、SEC認可プラットフォームの利用義務が取引の透明性と安全性を高める要因になる。国内の認可取引所にはKYC(本人確認)、マネーロンダリング対策、運用面のセキュリティなどの遵守が求められる。
一方で留意点もある。現行の非課税期間は5年で、2029年以降の延長は確約されていない。国会立法ではなく省令で制度化されたため、理論上は比較的少ない手続きで見直しや撤回が行われる余地もある。