Sui、BTC担保レンディング向け機関投資家ネットワーク"Hashi"始動へ 資金コミットメントは5億ドル
AI マーケットサマリー
Suiが計画しているHashiのローンチは、BTCをビットコイン台帳から移動させることなく、機関投資家向けのビットコイン担保融資を可能にすることを目的としており、20社超のパートナーからの5億ドルの資本コミットメントに支えられている。この設計(オンチェーンのBTCボールト、2-of-2マルチシグ、ガーディアンによる監視、監査済みスマートコントラクト)は、機関投資家のDeFi参加を制限してきたコンプライアンスおよびセキュリティ上の制約に対応することを狙っている。普及が進めば、短期的にBTCのクレジット市場の活動と、それに関連する流動性が増加する可能性がある。
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ビットコイン(BTC、82,528.58ドル)を担保とした金融に、大規模な流動性支援が加わる。レイヤー1ブロックチェーンのSuiは、機関投資家向け新ネットワーク"Hashi"を立ち上げる。保有者はビットコインの台帳上に資産を留めたまま、BTCを担保に借入を行える仕組みだ。メインネットは今月後半、段階的に展開される予定。
エコシステムの立ち上げ資金として、20社超の業界パートナーから合計5億ドルの資金コミットメントを確保した。現時点では預託ではなくコミットメントだが、事前に約束された資本があることで、稼働初日から厚みのある流動性で市場を開始できるとしている。
Suiの開発元であるMysten Labsの共同創業者兼CPO(最高製品責任者)Adeniyi Abiodun氏は声明で、"機関投資家は、必要とする保護を損なわずにビットコインを運用に回したい。その需要に応えるため、Hashiは十分な資本と業界リーダーの連合とともに始動する"と述べた。
狙いは眠ったままの巨額資産だ。Suiは、約1兆ドル相当のビットコインが現在も未活用の状態にあると推計する。これまで機関投資家や企業のバランスシート保有者は、ネイティブBTCをDeFi(分散型金融)で安全に運用するための、コンプライアンス対応かつ透明性の高い環境を欠いていたという。
今回の動きは、ビットコイン担保金融の用途が投機的な暗号資産取引を超え、実体経済へ広がる流れとも重なる。ビットコイン保有者は、大学授業料、不動産取得、企業の運転資金といった現実の支出を賄うために、BTC担保ローンを利用し始めている。
ローンチ初日からのパートナーで、ネットワークにステーブルコイン流動性を供給する計画も持つAnchorage Digitalの共同創業者兼CEO、Nathan McCauley氏は、"上場企業や機関投資家は莫大なビットコインを保有しているが、利用可能な技術によって活用が制約されてきた"と指摘。"当社の機関投資家クライアントをHashiにつなぐことは、完全なパラダイムシフトだ"と付け加えた。
Hashiは、一般的なチェーン間ブリッジを使わずに制約を解消する設計を採る。ユーザーはビットコインブロックチェーン上の金庫(vault)アドレスにBTCをロックし、2-of-2のマルチシグで管理する。解除にはHashiのバリデーター双方の暗号学的承認が必要となる。さらに、担保の不審な移動を監視し、必要に応じて遅延させる独立したガーディアン層も備える。
実際のBTCはビットコインネットワーク上で凍結されたまま、Hashiは入金に裏付けられたデジタル引換券トークン"hBTC"をSui上で発行する。Sui上のアプリはこのhBTCを用いて、貸付・借入、クレジット市場、実物資産(RWA)取引などを行う。退出時はSui上でhBTCを恒久的にバーンし、それをトリガーにマルチシグが解除され、元のビットコインがビットコインネットワーク上でユーザーへ返還される。
機関投資家向けの厳格なコンプライアンスとセキュリティ基準に対応するため、Hashiは検証も実施済みだ。セキュリティ企業Certoraがスマートコントラクトを正式に検証し、別の企業CommonPrefixがマルチパーティ計算(MPC)プロトコルの暗号技術をレビューした。