ストラテジー、BTC1,638枚を1億0,470万ドルで売却 STRC買い戻しと配当原資を確保
AI マーケットサマリー
Strategyは、優先配当とSTRCの買い戻しの資金を賄うため、1,638 BTC(1億0,470万ドル)を売却した。一方で、新規のビットコイン購入の一時停止を維持し、米ドル準備金を40億ドルに積み増した。842,138 BTCの保有量と比べれば小規模ではあるものの、この取引は、暗号資産市場が弱含む局面で流動性管理へと軸足を移す動きを補強する。短期的には、売りフローが増分的に加わり、資金調達コストや優先株の支援に対して企業の財務運用行動がより敏感になっていることを浮き彫りにする。
影響度
● 普通
影響を受ける資産
BTC/USDT+1.02%
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ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は8月2日までの1週間に、ビットコイン(BTC)1,638枚を総額1億0,470万ドルで売却した。売却価格は1枚当たり平均6万3,957ドル。調達資金は優先証券STRCの配当支払いと、同銘柄の買い戻しに充てた。
同社はBTC売却後も企業保有分としてBTC842,138枚を保持している。新規のBTC購入は停止したままで、流動性の確保と優先証券の下支えを優先する姿勢が鮮明になっている。
売却代金のうち5,240万ドルは優先配当の支払いに、残る5,230万ドルは承認済みの証券プログラムに基づくSTRC買い戻し資金に振り向けた。報告期間中に買い戻したSTRCは912,143株で、取得額は8,120万ドル。買い戻し枠の残高は約8億9,380万ドルとなった。
STRCの配当は1株当たり0.50ドルの月2回払いを維持した。額面100ドルに対して年率換算で12%に相当する。Yahoo FinanceのデータではSTRCは額面を下回って推移しており、資金調達モデルへの圧力が強まっている。優先証券価格の弱さは将来の資本調達の効率を損ね得るため、同社は配当の引き上げを繰り返すより、割安局面での買い戻しを重視している。なお同社は以前、配当総額を増やさないまま支払い頻度を月次から月2回に変更している。
今回の対応は、6月下旬に導入した資本運用方針の見直しに沿うものだ。同方針では、BTC売却を配当、負債返済、準備金の積み増し、承認済み証券の買い戻しに充当できる。SEC(米証券取引委員会)への過去の開示でも、BTC売却代金を優先配当やドル準備金に回していたことが示されている。
同じ報告期間中、同社はMSTR普通株のアット・ザ・マーケット(ATM)プログラムで普通株3,011,361株を売却し、純収入2億9,060万ドルを確保した。うち2億5,000万ドルを米ドル準備金に積み増し、2,890万ドルを追加のSTRC買い戻しに、残る1,170万ドルを現金残高の増加に充てた。米ドル準備金は8月2日時点で40億ドルに到達。マイケル・セイラー氏は、流動性の増強により準備金の運用余力が57日延びたと述べ、同社は準備金のカバー期間を約2.3年と見積もっている。この現金は優先配当と既存債務の利払いを支えるもので、BTC価格が弱い局面でも資本調達を不利な条件で急ぐ必要性を減らす。一方で、新規BTC積み増しは当面抑制される。
同社のBTC保有は取得額ベースで約635億ドルにのぼり、企業としては最大のBTC保有者である。今回の売却は全体の保有量から見れば小規模だ。
資本構成への注目は第2四半期決算でも強まった。同社は未実現のBTC評価損の拡大を受け、純損失82億2,000万ドルを計上した。経営陣は、この会計上の損失は長期のトレジャリー戦略を変えるものではないと説明。CEOのフォン・リー氏は、STRCが100ドルを下回って取引されている間、新規BTC購入は限定的になるとの考えを示し、優先証券を額面近辺に戻すことを当面の最優先課題としている。これは、同社のデジタル・クレジット証券を通じた将来の資金調達を支える狙いがある。
同社はSTRCの配当率設定方法も変更し、市場価格、競合利回り、クレジットスプレッド、BTCのボラティリティ、準備金カバー状況などを考慮する方針とした。STRCが額面を下回るたびに自動的に利回りを引き上げる従来の運用に代わる。
ストラテジーは2026年に入ってからBTCの処分を3回開示している。5月26日〜5月31日に32枚、6月29日〜7月5日に3,588枚、そして今回の1,638枚だ。同社はBTC売却、MSTR株売却、準備金の積み増しを組み合わせ、優先配当と買い戻しに関する資金需要を管理している。
本稿は公開情報に基づく報道であり、情報提供のみを目的としている。金融・投資助言ではない。