Solana、ステークの28.83%がオフラインに 最終確定停止ラインまで残り約4.5ポイント
Solanaでルーティング障害が発生し、ステークされているSOLのうち約28.83%が一時的にオフラインとなった。取引の最終確定(ファイナリティ)が止まる目安とされる33.34%に近づき、通常運用と「取引が不可逆になったと確認できない」状態の境界まで差は約4.5ポイントに縮まった。
Solanaの合意形成はTower Byzantine Fault Tolerance(BFT)を採用し、取引を最終確定させるにはステークの約3分の2、すなわち66.67%程度の参加が必要になる。裏を返せば、ステークの33.34%超がダウンすると必要なスーパーマジョリティを失う。ブロック生成自体は続く可能性がある一方で、不可逆として確定印を押せなくなる。
今回のオフライン比率は28.83%に達し、臨界点まで残りは約4.5ポイントだった。大口バリデータが数社追加で離脱していれば、均衡が崩れていた可能性がある。
Solanaでは、他のプルーフ・オブ・ステーク型チェーンが採用することのあるスラッシング(罰則的没収)は基本的に設けられていない。オフラインになったバリデータは報酬を得られなくなるにとどまる。
稼働率"連続"の内実と今回の盲点
今回の事象以前、Solanaは稼働面で好成績をアピールしてきた。全面停止として最後に記録されているのは2024年2月で、公式ステータスページでは30カ月超にわたり"全システム正常"が表示されていた。
ただし、ネットワークはブロックを生成し続けながらも、十分なステークが離脱すると最終確定できなくなる。30カ月の継続は、ブロック生成そのものが止まる"全面停止"を指す。今回のルーティング障害は、チェーンが技術的には"稼働"していても、取引を永久に確定したと保証できない局面が生じ得ることを浮き彫りにした。
2026年の報告では、Solanaで30日間に最大32件のバリデータ・デリンクエンシー(不参加)が発生した例もある。多くはハード故障、ソフト設定ミス、接続不良といった日常的要因によるものだ。今回が異例なのは規模で、ほぼ29%のステークが同時に影響を受けた点は、個別事故の積み上げというよりシステム的要因を示唆する。
"Alpenglow"が示す設計思想
SolanaはAlpenglowと呼ばれる大型プロトコル更新を進めており、取引の最終確定を約100〜150ミリ秒まで短縮することを目標に掲げる。設計思想としては、ライブネス(稼働継続)よりもセーフティ(安全性)を優先し、矛盾し得る取引を確定するくらいならブロック生成を完全に止める方向を取る。
Alpenglowでは、悪意あるバリデータと、今回のようなルーティング問題など受動的障害でオフラインになったバリデータを区別する耐障害モデルも導入される。
競争力への含意:スラッシング不在が再び論点に
スラッシングがない点は、改めて議論を呼びそうだ。支持派は、バリデータ参入のハードルを下げ、善意のミスまで過度に罰しないと主張する。反対派は、ダウンタイムに実質的な金銭的不利益が乏しければ、大規模同時障害を避けるための冗長化投資の動機が弱いと指摘する。
ステーキングするSOL保有者にとっては、オフラインになったバリデータが停止中の報酬を取り逃がし、その分が委任者の利回り低下として波及する。Solanaの合意形成はステークの最大3分の1がオフラインでも耐える設計だが、今回の事象は2024年2月の障害以降で最も強くその境界を試す形となった。