シンガポール金融管理局(MAS)、ステーブルコイン規制案を公表 2026年10月まで意見募集

シンガポールの中央銀行にあたるシンガポール金融管理局(MAS)は、法定通貨に連動するデジタルトークン(ステーブルコイン)を対象とした規制案を提示し、2026年10月までパブリックコメント(意見募集)を実施する。発行体や取引所、法務・コンプライアンス担当者にとって、制度設計に関与できる正式な機会となる。 MASの発表によると、検討しているのはステーブルコインの規制枠組みを実装するための法改正で、現時点では確定ルールではない。意見募集の対象は、ステーブルコイン監督に関連するシンガポール「Payment Services Act(決済サービス法)」の改正案で、詳細は公式コンサルテーションペーパーに示されている。 要点(TLDR) ・MASがステーブルコイン規制案を提示(未確定) ・意見募集は2026年10月まで ・決済サービス法の改正案が中心 意見募集期間が2026年10月まで設けられたことは、MASが最終枠組みの確定に向け、業界・一般からのフィードバックを継続的に集める姿勢を示す。コンサルテーションは、運用面の論点を法制化前に洗い出し、発行体や取引所が実務上の懸念を提示できる重要な段階となる。東南アジアの事業者にとっては、提案段階から施行までの時間を、事後対応ではなく事前のコンプライアンス準備に充てられる点が大きい。 今回の協議は、MASが主導する以上、シンガポールのデジタル資産政策の方向性を測る材料にもなる。最終的に整備される枠組みは、域内有数の暗号資産ハブである同国における発行体や市場参加者の行動基準を形作る可能性がある。もっとも、影響の評価は意見募集終了後の確定内容次第だ。 東南アジアではステーブルコイン決済がすでに商用テーマとして動いており、DunamuとVisaによるステーブルコイン決済・送金の提携といった事例もある。シンガポールでルールが明確化すれば、周辺国の制度設計にも波及する可能性がある。2026年10月以降は、MASが協議から立法プロセスへ移行するか、そして最終条文が現行案とどの程度一致するかが焦点となる。域内の取引所や発行体は、東南アジア暗号資産市場の動向と並行して、今回の結論を注視することになる。 免責事項:本稿は情報提供のみを目的としており、金融・投資助言ではない。暗号資産およびデジタル資産市場には重大なリスクが伴う。意思決定の前に必ず自身で調査を行うこと。