米上院議員、カンター・フィッツジェラルドにテザー取引記録とラトニック家の利益開示を要求

AI マーケットサマリー
米上院の調査が、Cantor Fitzgeraldに対し、制裁/AML管理やルトニック家に関連するとされる自己取引疑惑を含む、Tetherとのカストディ関係の詳細開示を迫っている。召喚状ではなく違反も主張していないものの、国家安全保障の枠組みで示されていることで、USDTの準備金とコンプライアンスをめぐる規制リスクがヘッドラインとして浮上している。これによりリスク選好と流動性環境が引き締まり、USDT決済に大きく依存する暗号資産取引所全体に波及し得る。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
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▼ 弱気
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世界最大のステーブルコイン「USDT」を発行するテザー(Tether)と深い取引関係を持つウォール街のカンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)が、米上院の監視対象となった。上院恒久調査小委員会の民主党筆頭理事であるリチャード・ブルーメンソール上院議員は木曜日付の書簡で、同社に対しテザーとの業務関係に関する記録提出を求めるとともに、商務長官ハワード・ラトニック(Howard Lutnick)一家が当該取引から得た利益額の説明を要求した。 書簡は情報提供要請で、召喚状ではない。回答期限は10月23日。宛先はカンター社の会長およびラトニック長官の息子ブランドン・ラトニック(Brandon Lutnick)。ブルーメンソール議員は「テザーとの収益性の高い取引が米国の国家安全保障を損なう形になっているのは憂慮すべきだ」と指摘した。 同議員は、少数党側の調査目的を「暗号資産の違法利用」に加え、「トランプ政権と暗号資産企業の間での自己利益取引や不適切な利益移転」にも向けると位置付けた。一方で、書簡はカンター社が特定の法律に違反したとは主張しておらず、不正行為の認定も含まれていない。 照会事項は全13項目。テザーが米国の制裁やマネーロンダリング対策(AML)規制に準拠していることを同社がどのように検証しているか、顧客確認(KYC)方針の詳細、テザーとの関係解消を検討したことがあるか、そして大統領のデジタル資産諮問委員会とのやり取りなどが含まれる。ブルーメンソール議員は、テザーやラトニック家に関する記述は報道や自身のチームの過去の調査に基づくとしている。 書簡によれば、USDTは米ドルに連動するステーブルコインとして暗号資産経済の基盤を支える一方、違法活動に用いられてきたとされる。議員は「テザーがこうした違法活動に使われたステーブルコインから莫大な利息・投資収益を得る中で、カンターもテザーとの関係を通じて利益を得た」と記した。 カンター社はテザーのカストディアンとして、流通するUSDTを裏付ける現金など準備資産の保管を担う。ブルーメンソール議員は、テザーがエルサルバドルで事業を営むと主張しているものの、「資産の大半は米国内にあり、貴社が保管している」と指摘した。 ブルーメンソール議員は、トランプ大統領がホワイトハウスに復帰して以降、ラトニック長官が25億ドル超を得たとし、その内訳としてカンターからの配当19.2億ドルを挙げた。また同期間に、カンターが保有するテザーの5%持分の評価額が6億ドルから約100億ドルへ増加したと主張。加えて同社は、テザー資産の保管手数料として年数千万ドル規模を受け取っているとも述べた。 ハワード・ラトニックは2025年2月に上院で商務長官として承認されるまでカンター社を率い、その後はブランドンが会長に就任した。書簡は、資産所有権が子どもへどのように移転されたかを把握するため、融資や法的取り決めの詳細も求めている。これは、ラトニックの4人の子ども向け信託に対するテザーの融資(金額非公表)に関する既報と整合する内容で、子どもたちが父親のカンター株を買い取った時期と重なるとされる。エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員とロン・ワイデン(Ron Wyden)上院議員は4月にこの点をラトニックおよびテザーに質問していた。資産が信託に移されると、調査対象者は当該資産の法的所有権を持たなくなる。 今回の書簡送付の10日前、同小委員会の民主党スタッフは「Tether Tied to Terrorism(テザーとテロの結び付き)」と題する報告書を公表。イランおよび関連勢力に関与したとして制裁対象または差し押さえ対象となった暗号資産ウォレット846件のうち、84%がUSDTのみ、またはほぼUSDTのみを使用していたと結論付けた。根拠となる2つのリストには差があり、イスラエルの対テロ資金対策当局が指定した757件では87%が主にUSDTを利用していた一方、米財務省外国資産管理局(OFAC)が指定した101件では57%だった。 テザーはウォレットを凍結し、内部トークンの移転を止めることができる。同社は同日、今年に入ってイラン関連とされる資金約5.5億ドルを凍結したと発表し、内訳として4月に3.44億ドル、7月に1.3億ドル超を挙げた。声明は報告書に直接言及しなかった。 ブルーメンソール議員はさらに、ハワード・ラトニックがカンター在籍中に関与したテザーに関する個人記録の提示も要請。「ホワイトハウスや州・連邦の規制当局との協議」「テザーのために実施されたロビー活動」などを含むとしている。書簡は、10月23日までの回答に加え、当該期間のテザー関連の文書・記録・通信の保全も求めている。