SEC、2026年の規制アジェンダに暗号資産関連ルールを3件追加
AI マーケットサマリー
SECの2026年のアジェンダには、トークン・オファリング、ブローカー・ディーラーのカストディ/報告、ならびに取引プラットフォームの市場構造を対象とする、暗号資産に特化した3つの規則策定が追加された。依然として提案段階にあるものの、正式な組み込みは、実質的なリソース投入と、執行主導の姿勢から、適法な資金調達およびセカンダリー取引のための成文化された経路へと移行することを示唆している。これらの取り組みは、すべてのトークンが証券ではないことを認めるSEC-CFTCのトークン分類法に基づいており、米国市場参加者にとって規制の曖昧さを低減する。
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米証券取引委員会(SEC)は7月7日に公表した2026年の規制アジェンダで、暗号資産に特化したルール策定項目を3件新たに盛り込んだ。デジタル資産を既存の証券法制の枠内で取り扱うための制度設計に、SECが本格的に踏み出したことを示す動きといえる。対象は、米国で事業展開を目指す暗号資産企業が直面してきた主要論点である①トークンを用いた資金調達(提供)の在り方、②ブローカーディーラーの帳簿上での暗号資産の取扱い、③ATS(代替取引システム)や全米証券取引所といった取引の場におけるデジタル資産市場の制度設計だ。
アジェンダに記載された3件はいずれも初期段階(提案段階)に位置づけられ、現時点で確定ルールではない。直ちに執行・摘発方針が示されたわけでもない。一方、正式なアジェンダに載ったことでSECが内部リソースを投入して検討を進めることが明確になり、市場へのシグナルとしては重い。
個別には、1つ目の取り組み(RIN 3235AN38)が暗号資産の提供(オファリング)を扱う。トークン販売による資金調達について、後になって執行措置を受けるのではないかという不確実性を減らし、制度上の道筋を示す狙いがある。2つ目(RIN 3235AN48)は、暗号資産を保管(カストディ)または取引するブローカーディーラーを念頭に、財務責任規則および報告規則の改正を提案する。3つ目(RIN 3235AN49)は市場構造をテーマに、ATSや全米証券取引所がデジタル資産取引をどのように取り扱うべきかを論点とする。
ポール・アトキンスSEC委員長は、今回のアジェンダを、米国を"crypto capital of the world"(世界の暗号資産の中心地)とするための取り組みの一環と位置づけた。目標として、暗号資産を用いた資本調達に関する"clear rules of the road"(明確なルール)を整備し、オンチェーンでの取引やカストディを後押しする考えを示した。
今回の3件は、突発的に出てきたものではない。SECは2026年3月、米商品先物取引委員会(CFTC)と共同で解釈指針(interpretive release)を公表し、トークンを5分類する枠組みを提示していた。分類は、デジタル商品(digital commodities)、コレクティブル(collectibles)、ツール(tools)、ステーブルコイン(stablecoins)、証券(securities)。この整理は、すべてのトークンが証券ではないことを明示し、SECの管轄外となり得る領域を定義した点で注目された。今回のアジェンダ追加は、その枠組みを土台に、SECの監督対象に該当するトークンについて制度の細部を詰めていく次のステップとなる。