SEC、ブロックチェーン基盤の市場に向け規制近代化へ「Project Crypto」始動
AI マーケットサマリー
SEC'の"Project Crypto"は、トークン化市場を可能にする方向への大きな規制方針転換を示しており、多くのデジタル資産が有価証券として扱われない可能性を示唆し、執行リスクの重しを軽減する。カストディ、取引フレームワーク、開示、DeFi統合に関する作業の計画に加え、2026年3月までのSEC–CFTC間のMOUは、法的明確性と市場構造を改善し得る。短期的には、これにより暗号資産全体で機関投資家による実現可能性が高まり、認識される規制リスクが低下する。
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米証券取引委員会(SEC)は、金融市場がブロックチェーンを基盤に運営できるよう、証券規制の枠組みを刷新する正式計画を発表した。ポール・アトキンス委員長は2025年7月31日、オンチェーン時代に対応した米国証券規制のアップデートを目的とする包括的イニシアチブ「Project Crypto」を打ち出した。株式や債券などの伝統的資産のトークン化が進むことを前提に、ルール側も技術に整合する形へ組み替える狙いだ。
計画の柱は、デジタル資産の「過半は証券に該当しない」とのSECの立場を明確にする点にある。これにより、多くのトークンは株式と同様の扱いを受けず、登録要件や開示義務、執行リスクといった、業界を長年悩ませてきた負担が相対的に軽減される可能性がある。
Project Cryptoは、ヘスター・パース委員が率いるSECのCrypto Task Forceと連携して具体化される見通し。タスクフォースは、カストディ(保管)ルール、取引枠組み、デジタル資産の配布(分配)基準、分散型金融(DeFi)システムを規制下の金融エコシステムへ取り込むための設計などを含む提案を取りまとめるとされる。暗号資産の募集・提供に関する開示要件の最適化や適用除外(エグゼンプション)の整備も検討項目に入る。
省庁横断の整合と工程も示された。SECと米商品先物取引委員会(CFTC)は2026年3月までに覚書(MOU)を締結する見通しで、証券法の枠外に位置づけられるトークンの分類に関する共同フレームワークの構築を目指す。市場構造の見直しではRegulation NMSなど既存ルールの更新も対象となり、SECは2026年半ばまでに、オンチェーン取引システムが従来型取引所と併存できる革新的な規制ルートと改定規則を整える計画だ。
同プロジェクトは、トランプ大統領が掲げる「米国を暗号資産分野の世界的リーダーにする」という方針に沿うものと位置づけられる。大統領のデジタル資産ワーキンググループの提言に直接応答する形でもあり、過去の暗号資産に前向きな提案よりも行政府の後押しが強い点が特徴とされる。
投資家にとっての焦点は、SECが「多くのデジタル資産は証券ではない」と示すことで、米国内でほぼ全てのトークンプロジェクトに付きまとってきた存立リスク級の法的不確実性が後退し得る点だ。未登録証券の販売を巡る執行の懸念を抱えていた企業にとって、定義された枠内で事業を進める道筋が見えやすくなる。
また、トークン化証券の適切なカストディの要件設計は、銀行が顧客資産として保有できるかを左右し、ひいては年金基金や基金(エンダウメント)が配分できるかに直結する。CFTCとの整合的な枠組みが整えば、これまで法的グレーゾーンにあった規制下の暗号資産デリバティブの展開が進む可能性もある。市場構造ルール改定の目標時期は2026年半ばで、今後1年が制度設計の山場となる。