UAEの政府系ファンド、ブラックロックのビットコインETFを7億6,400万ドル保有──SEC提出資料で判明

AI マーケットサマリー
SECの13F提出書類によると、アブダビ関連の投資家であるムバダラとアル・ワルダは、ブラックロックのiShares Bitcoin Trust(IBIT)を約7億6,400万ドル保有しており、これは5四半期連続の積み増しを反映している。規制されたETFのラッパー(トークンの直接保管ではなく)を用いることは、時価評価のボラティリティにもかかわらず、機関投資家のオンランプ需要の継続と長期的な配分アプローチを示しており、ビットコインおよび現物ETFフローを巡る短期的なセンチメントを下支えしている。
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米SECへの最新の13F提出書類によると、アブダビの主要投資機関であるムバダラ・インベストメント・カンパニーと、アブダビ投資評議会(Abu Dhabi Investment Council)に関連するアル・ワルダ・インベストメンツが、ブラックロックのiShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)を合計で約7億6,400万ドル相当保有していることが分かった。政府系に近い主体によるビットコイン投資としては最大級の部類に入る。 3月31日時点で、ムバダラはIBITを1,470万株保有し、評価額は約5億6,560万ドル。アル・ワルダは約820万株を保有しており、両者の合計が約7億6,400万ドルとなる。 買い増しは一過性ではない。ムバダラは2024年10-12月期(Q4 2024)に、少なくとも4億3,600万ドルのIBITエクスポージャーを初めて開示した。当時は、同年初に始まった現物ビットコインETF市場が立ち上がり段階にあった。その後、ムバダラは各四半期で保有を積み増しており、今回の提出資料では2025年末時点の約1,270万株から16%増加している。 一方で、2025年末にはアブダビ勢のIBIT保有評価額が一時10億ドル超に達したと報じられていたが、その後の市場変動で名目価値は低下した。今回の約7億6,400万ドルという数字は、主にビットコイン価格の変動を反映したもので、持ち株数を大きく減らしたことを示すものではない。ムバダラはドル建て評価額が変動する局面でも保有を増やしている。 今回の13Fで注目されるのは、両者が暗号資産やトークンの直接保有を報告していない点だ。エクスポージャーはすべて、ブラックロックの規制下にあるETFを通じて構築されており、カストディやコンプライアンスなどの運用面の複雑さを商品側で吸収している。 ムバダラは、プライベート市場、インフラ、テクノロジーなどにまたがる分散型のグローバル・ポートフォリオを運用する。トークンの直接購入やDeFiを経由せず、伝統的な金融商品としてビットコインへの関与を継続していることは、機関投資家の暗号資産参入が現場ではどのように進むかを示す例といえる。 ブラックロックのIBITは2024年1月の上場以降、数百億ドル規模の資金を集め、ETF史上でも屈指の成功例となっている。ムバダラとアル・ワルダの保有は、湾岸地域の機関投資家による米国上場ビットコイン商品への投資として目立つ動きで、5四半期連続の買い増しが単発の配分ではなく継続的な方針であることを示している。 もっとも、今回の数字は3月31日時点のスナップショットであり、その後にポジションが変化している可能性はある。13Fは四半期ごとの開示で、リアルタイムの状況を示すものではない。それでも、評価額が10億ドル超から約7億6,400万ドルに低下しても大きな売却が示唆されない点からは、短期売買ではなく長期目線での運用が意識されていることがうかがえる。