米SECの"暗号資産擁護派"ヘスター・ピアース委員、来週退任へ

AI マーケットサマリー
暗号資産政策の主要な提唱者と見なされているSEC(米証券取引委員会)のヘスター・パース委員は10月2日に退任し、職員がトークン分類、マーケティング関連の"managerial efforts"、ステーキング受領トークン、二次市場における"promoter"リスクに関する新たなガイダンスを公表する中でも、同庁の改革アジェンダの継続性は低下する。SECは一時的に委員2名のみで運営されるため、デジタル資産市場における短期的な規制プロセスの能力と方向性は、より不確実に見える可能性がある。
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米証券取引委員会(SEC)で暗号資産業界寄りの姿勢で知られるヘスター・ピアース委員が、来週退任する。本人がSNSのXに投稿した辞任書簡によれば最終出勤日は10月2日。SECが暗号資産を巡り規制整備に消極的だった時期も含め、同氏が明確なルール作りを訴え続けてきた時代が一区切りとなる。 辞任表明と同じタイミングで、SECはトークンの位置付けやプロジェクトのマーケティング手法に関する論点を整理する追加の政策文書を公表した。ピアース氏はデジタル資産業界で"Crypto Mom"の愛称で呼ばれ、共和党のジェイ・クレイトン委員長、民主党のゲーリー・ゲンスラー委員長の下でも、強硬な執行重視路線が続くなかで規制の明確化を求めてきた。 本格的にルール策定に関与する機会が生まれたのはドナルド・トランプ政権期。現委員長ポール・アトキンス氏の就任前から、ピアース氏は昨年設置されたSECの新たな"Crypto Task Force"を率い、マイニング、ステーキング、ミームコインなど幅広い論点で政策声明やガイダンスを取りまとめた。暗号資産の類型定義や、どの規制当局が所管するかといった枠組み整理は、同氏の取り組みの中核とされる。 直近ではSECが正式な規則案の提示を開始し、その第一弾として"Regulation Crypto Assets"が示された。暗号資産の提供に際し、厳格な証券規制の適用を自動的に招かない仕組みを設ける内容だ。さらに注目を集めたのが証券トークン化の道筋を開く動きで、"innovation exemption"と呼ばれる枠組みは、5年間の限定的な運用を通じて、将来的な恒久ルールに向けた検証材料とする狙いがある。 辞任書簡でピアース氏は、規制当局の役割として"人々が自分や家族にとって最善の選択をできる自由を、取引への信頼を支える合理的な規制の枠内で最大化することは、繊細で極めて重要な仕事だ"と記した。同氏は今後、リージェント大学ロースクールで准教授を務める予定。 ピアース氏は2019年の講演で"Crypto Mom"の愛称に触れつつ、当時のSECが"イノベーションと成長を妨げてきた"と指摘。"SECからの指針は、執行措置の行列と、スタッフによるガイダンス文書、ノーアクションレターしかない"と述べた。 同氏の退任により、委員会メンバーはアトキンス委員長と共和党指名のマーク・ウエダ委員の2人のみとなる。SECの規則では、欠員時でも2人で定足数(クオーラム)を満たし業務を遂行できる。現時点でトランプ政権は、SECおよび姉妹機関である商品先物取引委員会(CFTC)に民主党系の指名を行っておらず、欠員補充に動くかは不透明だ。 SECは金曜日、暗号資産の定義と分類、またプロジェクト側の"管理上の期待(managerial expectations)"が各分類にどう関係するかを整理する追加資料としてFAQを公表した。スタッフは、トークンの売り込み、プロジェクトのソフトウェア調整などの行為が"本質的な管理努力(essential managerial efforts)"と見なされないようにするにはどうすべきか、という業界からの照会があると説明。ほかにも"staking receipt tokens"や、二次市場が投資契約の"promoter"に該当し得る場面など、技術的な論点を取り上げた。