LayerZero、rsETH不正流出で2億9,200万ドル訴訟 CCIPへの移行表明は約150億ドル規模に
AI マーケットサマリー
rsETHブリッジのエクスプロイトに関連する2億9,200万ドルの訴訟により、LayerZeroを巡るヘッドラインリスクとカウンターパーティーリスクが拡大し、検証者/RPCのセキュリティおよび情報開示慣行に関する懸念が強まっている。同時に、およそ150億ドル相当の資産を代表するプロジェクトが、LayerZeroからChainlinkのCCIPへの移行を発表しており、その中にはBitGoがWBTCの独占的なクロスチェーン提供者としてCCIPを指名したことも含まれる。法的な重しとフローの移転が組み合わさることで、CCIP採用を通じてLINKにとって追い風となっている。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
LINK/USDT+3.81%
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▼ 弱気
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Evercrest Technologiesは、4月に発生したrsETHの不正流出(被害額2億9,200万ドル)を巡り、LayerZero Labsとカナダ法人、CEOのBryan Pellegrino氏をブリティッシュコロンビア州で提訴した。訴状は、過失による不実表示、過失、名誉毀損を主張し、加重損害賠償と懲罰的損害賠償を求めている。Pellegrino氏は訴えを根拠のないものだと述べた。
Kelpの利用者は攻撃後、6億5,000万ドル超を引き出した。4月18日、攻撃者はLayerZeroの検証者(verifier)を欺き、偽造されたクロスチェーントランスファーを承認させた。LayerZeroの事故報告書によれば、3月に開発者がソーシャルエンジニアリングを受け、悪意あるGitHubリポジトリを複製したことが侵入の起点となった。攻撃者はLayerZeroのRPC環境へ到達し、内部ノード2基を汚染、外部RPCプロバイダーを停止に追い込み、偽のソースチェーン情報に基づくメッセージへ検証者が署名する形となった。この結果、KelpのブリッジからrsETH 116,500が流出した。
KelpのブリッジはLayerZeroの単独検証者による承認を要する設計だった。LayerZero側は、オンチェーンの署名検証は正しく機能したと説明する。署名自体は有効だったが、署名が担保した内容が虚偽だったという。報告書では、検証者要件はアプリケーション側の責任、侵害されたRPCレイヤーは運用者であるLayerZero側の責任と整理した。
Evercrestは、単独検証者の構成についてLayerZeroが書面でレビューし承認したと主張する。さらに、LayerZeroが2024年2月にKelpへ「デフォルト設定に問題はない」と伝えたとする一方、USDT0にはデフォルトの検証者構成のリスクを警告していたとも訴えている。Kelpには同等の警告がなかったという。これらの主張は、法廷で検証されていない。
LayerZeroは、Kelpが以前は2-of-2構成を用いていたが、1-of-1構成へ変更したと反論している。現在、LayerZeroの検証者は単独で署名が必須となるチャネルでは署名を拒否する運用に変更した。加えて、プロバイダーと地域を分散した複数の独立RPCソースを要求している。8月4日までに、同社はエンドポイントの両バージョンでデフォルト経路の最小検証者数を3に引き上げた。一方、アプリケーションはプロトコルレベルで独自構成を組むことは可能としている。LayerZeroは5月、同社検証者が高額移転で単独動作できたことは誤りだったと認め、影響はネットワーク上のアプリケーション約0.14%にとどまると説明した。
こうした中、LayerZeroからChainlinkのCCIPへ移行を表明したプロジェクトは、8月4日時点で約145億ドル相当の資産規模に達した。内訳では、BitGoがWBTCを通じて約74億ドルを占め、WBTCのクロスチェーン提供者としてCCIPを独占的に採用すると発表した。Mantle、KelpのrsETH、Lombardも移行総額を押し上げ、Chainlinkは総額を150億ドル近辺としている。Kelpは、自社の移行は進行中であり、表明済みの価値と完了した移転は別指標だと述べた。
8月には、ワイオミング州のStable Token Commissionが州発行トークンFRNTをLayerZeroから移管し、CCIPを独占的クロスチェーン提供者とする複数年契約を締結した。同委員会のCISO、Keith Lawhorn氏は9月14日、Kelpの攻撃を契機に検証を開始し、アクセス制御、秘密鍵管理、インシデント開示に問題があるとの結論に至ったと説明した。LayerZeroはこれらの指摘の一部に異議を唱えている。
LayerZeroは現在も96チェーンにまたがるネットワークだ。DefiLlamaによると、直近30日間のLayerZeroのブリッジ取扱高は95億ドル。ブリティッシュコロンビア州の裁判所は、統合における安全対策の責任がどちらにあったのかを判断することになる。