テザー、KPMGによる初の年次フル監査を完了 準備金超過は68億1,400万ドルに
AI マーケットサマリー
Tether's first full KPMG audit and confirmed $6.814bn reserve surplus strengthens USDT credibility versus prior attestations, though scope limits and an unpublished report keep residual uncertainty. The Senate delay of the Clarity Act extends regulatory overhang into September. Goldman's Neos acquisition highlights accelerating institutional crypto productization. A BIP110-triggered Bitcoin split failed quickly, signaling broad ecosystem coordination, while the Trezor shipping-partner breach elevates security and user-risk concerns.
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ブロックチェーン/暗号資産(クリプト)業界の今週の注目ニュースをまとめた。
■今週のピックアップ
【テザー、9年越しで年次フル監査 準備金超過は68億1,400万ドル】
テザーは、KPMG米国による2025会計年度の年次フル監査を完了した。監査意見は「無限定適正意見」で、準備金の超過額は68億1,400万ドルと確認された。
従来の四半期アテステーション(証明)と比べ、今回の監査は踏み込みが深い。期日一点の保有残高確認にとどまらず、財務諸表、内部統制、評価プロセスまで対象に含めた。加えて、保有する現物金130トンについては、監査人が現地でバーを一本ずつ確認したとしている。
準備金の最大項目は米国債で1,410億ドル。期末時点のUSDT流通残高は1,865億ドル、利益は100億ドル超だった。利益は前年を23%下回った。
もっとも、なお不透明な点も残る。2018年にはFriedman LLPが監査業務を結果なく終了し、その後2021年には米商品先物取引委員会(CFTC)が、ドル裏付けに関する虚偽主張を理由にテザーへ4,100万ドルの罰金を科した経緯がある。今回の監査対象はTether International, S.A. de C.V.に限定され、監査報告書全文も未公表だ。
【米上院、Clarity Actの採決を正式延期 9月中旬へ】
米上院は今週、デジタル資産規制の枠組みを定めるClarity Actの採決を9月中旬に先送りした。共和党のジョン・スーン上院院内総務が、5週間の夏季休会入り直前に重要な手続き動議を提出した。
同法は、デジタル資産の監督権限を証券取引委員会(SEC)とCFTCで分担し、トークンが「コモディティ」か「証券」かを判断する基準を明確化する。
下院は2025年7月に294対134で可決したが、上院のハードルは高い。共和党は53議席を持つ一方、討論終結(クロージャー)には60票が必要で、民主党から少なくとも7票の取り込みが欠かせない。年末までの会期日数は残り36日。政府高官の倫理規定、州司法長官の執行権限、ステーブルコインの利払いをめぐって対立が続いている。シンシア・ルミス上院議員は「千の切り傷による死は、銃弾と同じくらい致命的だ」と警告した。
【ゴールドマン、Neosを最大22億5,000万ドルで買収 暗号資産インカムETF3本を獲得】
法整備を待たず、ウォール街は動く。ゴールドマン・サックスは、ETF運用会社Neos Investmentsを現金・株式で最大22億5,000万ドルで買収すると発表した。
Neosはオプションを活用したインカム型ETFに強みを持ち、19本の商品で運用総額300億ドル超。保有資産に対してオプションを売却し、プレミアムを原資に月次分配を行う。
買収対象には、合計12億ドル超の暗号資産ETF3本が含まれる。最大規模はBitcoin High Income ETFで運用額は10億ドル超。レバレッジ型の姉妹商品と、イーサリアム版も抱える。これらのファンドはビットコイン/イーサリアムを直接保有せず、上場取引商品を通じてエクスポージャーを得る設計だ。月次分配の特性上、上昇余地が抑えられやすい点は留意が必要となる。
ゴールドマンは4月にもInnovator Capital Managementを約20億ドルで買収しており、同社のETFプラットフォームの運用総額は1,300億ドル超に拡大。アクティブETFプロバイダーとして世界8位規模に位置づけられる。業界全体では、オプション型インカムETFの残高は1,800億ドル、2021年以降の年成長率は70%超とされる。
【BIP110でビットコインが一時分岐 少数派チェーンは2ブロックで失速】
ビットコインでは先週末、ソフトフォーク提案BIP110をめぐりチェーン分岐が発生した。提案は、主にOrdinalsのインスクリプションなど取引内の非金融データを1年間制限する内容。分岐なしでの有効化にはマイナーの55%シグナリングが必要だったが、直近の支持率は2.53%にとどまっていた。
AntPoolはブロック961,632で必要なシグナリングビットを欠いたブロックを生成し、BIP110ルールのノードはこれを拒否。マイニンググループRoughnecksがOcean Pool経由で別チェーンを採掘し、2本のチェーンが並走する形になった。
ただ、少数派チェーンは伸びなかった。生成できたのは2ブロックのみで、定着には約2,000ブロックが必要とされていた。Oceanの当該チェーンにおけるハッシュレートは1日で96.5%低下し、Roughnecksは翌日に採掘を停止。主要取引所やカストディアンの支持も得られず、取引可能なトークンも成立しなかった。支持者の一部は、既存プールのボイコットを回避するためプルーフ・オブ・ワーク(PoW)アルゴリズム変更を検討している。
【Trezorの配送委託先で情報漏えい 顧客1万3,689人に影響】
ハードウェアウォレット「Trezor」を展開するSatoshiLabsは、フルフィルメント事業者ShipMonkで不正アクセスが発生し、顧客データが漏えいしたと公表した。影響は7カ国の購入者1万3,689人。うち1万1,742人について、氏名、配送先住所、電話番号、メールアドレスが閲覧可能な状態だった。対象注文は5月から8月分。
デバイス、秘密鍵、ウォレットのバックアップ、Trezor側のシステムは侵害されていない。SatoshiLabsは、委託先におけるデータ保持期間を契約上90日に制限していたことが影響範囲を抑えたとしている。
一方で懸念は二次被害だ。2020年のLedgerの情報流出では、流出した27万2,000件の記録がフィッシングや脅迫の波につながった。Chainalysisは、2026年上期の暗号資産関連の暴力的強盗が世界で46件に達し、前年同期の40件から増加したと集計している。
TrezorはEUで、9月から宅配ロッカー向けの匿名配送に対応すると発表したが、既に影響を受けた1万3,689人には直接の救済にならない。
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