米雇用統計の急減速で利上げ観測後退、金は一時4,254ドルまで急伸
AI マーケットサマリー
米国の雇用統計が大幅に弱い内容となったことで米国債利回りは低下し、FRBの政策見通しは急速に再織り込みされ、10月利上げ確率は急落した。これにより実質金利の上昇圧力が後退し、金地金には広範な買いが入り、利回り上昇と原油を背景としたインフレ懸念に伴う週初来の下落を反転させた。この動きは、金が金利見通しに敏感であることを浮き彫りにするとともに、短期的な主要な材料として利回りに市場の焦点が当たっていることを改めて示している。
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金相場が週末にかけて上昇した。米雇用統計が予想以上に弱く、米国債利回りが低下。今月の米連邦準備制度理事会(FRB)追加利上げ観測が大きく後退したことが追い風となった。現物金は1%超上げて1オンス4,223ドル近辺まで上昇し、米金先物は一時4,254ドル付近まで買われた。
9月の非農業部門雇用者数は2万9,000人増と、市場予想の9万人増を大きく下回った。失業率は4.2%へ小幅に上昇。7月と8月の雇用者数は合計6万人下方修正された。
金を押し上げた最大の要因は金利だ。市場が織り込む10月のFRB利上げ確率は、週初の約70%から約14%へ急低下。米10年債利回りは5.17%近辺へ低下し、2年債利回りも4.72%前後まで下げた。堅調だった8月の雇用統計で利回り上昇と金下落が進んだ流れとは対照的に、今回の弱い雇用指標は利回りと利上げ期待を押し下げ、金の買い戻しを誘発した。
今回の反発は、金が直前まで4,200ドルを割り込んでいたことを踏まえると意味合いが大きい。原油高と米国債利回りの上昇がインフレ懸念を再燃させ、金は8月上旬以来の安値水準まで売り込まれていた。金利見通しの変化に対する感応度の高さが改めて示された格好だ。
モルガン・スタンレーは、中央銀行の需要、現物買い、長期金利低下の可能性を背景に、4,000ドルが重要な下値めどになり得るとの見方を示している。今回の米国債利回り低下で、この見立ては追い風を受けた。同社は最新の金相場見通しでも、利回り低下を上昇再開の主要な材料の一つに位置付けている。