Coldcardの長年見過ごされた不具合、警告前に1,082BTC流出 ハードウェアウォレット盗難で最大級

AI マーケットサマリー
長年にわたって続いていたColdcardのファームウェアにおけるエントロピーの欠陥により、公的な警告が出る前に、オフラインでの鍵の再生成が可能となり、約1,100のウォレットから約1,082.65 BTCが迅速に盗まれた。これは、ハードウェアウォレットのサプライチェーン/ファームウェアに関するリスクを浮き彫りにしている。この事案は、カウンターパーティーおよびカストディに関する懸念を高め、ウォレット移行の加速を促し、自己保管におけるオペレーショナルリスクの認識を上昇させ得る。短期的には、投資家がシード生成とデバイスのファームウェアを巡るセキュリティ前提を再評価する中で、暗号資産のリスク選好を圧迫する可能性がある。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
BTC/USDT-1.29%
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▼ 弱気
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長年見過ごされていたファームウェアの欠陥が、直近数カ月で最大級とみられるビットコイン(BTC)ハードウェアウォレット盗難につながった。ウォレットメーカーが安全上の注意喚起を公表する前に、1,100超のウォレットから合計1,082BTC超(約7,000万ドル相当)が気付かれないまま流出した。 Galaxy Researchの調査によると、攻撃者は7月30日01:10〜01:51(UTC)の41分間に1,196のビットコインアドレスから資金を引き出し、合計1,082.65BTCを空にした。攻撃は、Coinkiteが一部のColdcard端末に脆弱性の可能性があると公表する約30時間前に行われた。 研究者は、端末を直接ハッキングしたのではなく、特定のColdcardがリカバリー用シードフレーズを生成する方式の弱点を突き、ウォレットの秘密鍵をオフラインで再現した可能性が高いとみている。対象は、2021年3月公開のファームウェア(4.0.1〜5.0.3)を搭載したColdcard Mk3で作成されたウォレットとされる。 Galaxy Researchは、すべての取引が異常に高い30 sat/vBの手数料を用い、お釣り(change)出力がない点を指摘。攻撃者がすでに秘密鍵を保有しており、出金を自動化しただけであることを示唆するとした。資金フローの分析は、Blockのエンジニアが特定したパターンと、@clay_garrettが共有した情報に基づくという。 脆弱性の起点は2021年のファームウェア更新にあると、セキュリティ研究者は説明する。通常、ハードウェアウォレットは専用のハードウェア乱数生成器を使ってリカバリーフレーズを生成し、鍵の推測を事実上不可能にする。ところがBlockのエンジニアは、コーディングミスにより影響端末でこのハードウェア乱数が無効化されていたと報告した。代わりに、端末のシリアル番号や内部クロックといった予測可能な情報を用いるソフトウェア乱数生成に依存していたという。 この結果、影響を受けたMk3では、シードのエントロピーが本来想定される128ビットから約40ビットまで低下し、現代の計算資源では大規模な総当たり(ブルートフォース)攻撃が現実的になったとされる。Coinkiteはその後、特定のMk4、Mk5、Coldcard Qのファームウェアにも注意喚起を拡大。これらではエントロピーが約72ビットに低下する一方、新しいハードウェアアーキテクチャにより全体のリスクは大きく抑えられていると同社は説明している。 流出したBTCは複数のウォレットに迅速に集約され、研究者は562BTC超を保有するアドレスを確認した。ほかにも398BTC、89BTC、32BTCを保有するウォレットが見つかっているが、集約後に資金移動は確認されていない。 Coinkiteは、影響するファームウェア上でリカバリーフレーズを生成した可能性がある利用者に対し、最新ファームウェアで新規作成したウォレットへ直ちに資金を移すよう求めた。加えて、BIP39のパスフレーズを追加設定している場合は、侵害されたシードに上乗せの防御層があるためリスクが大幅に低いとも説明した。 専門家は、攻撃者が事前に数百万通りの鍵候補を生成し、ビットコインネットワーク上に一致するウォレットが現れるのを待っていた可能性があるとみる。所有者が資金移転を行わない限り、追加の脆弱なウォレットが引き続き狙われる恐れがあるという。