ESMA、EU認可の暗号資産プラットフォームに非MiCA対応ステーブルコインの提供停止を要請――残高整理は最長で2027年1月8日まで

AI マーケットサマリー
ESMAのガイダンスは、MiCA認可を受けたEUの暗号資産プラットフォームに対し、非準拠のステーブルコインについて、顧客獲得やエクスポージャー拡大を阻止し、国別当局の監督下で残存残高を段階的に縮小するよう求めており、最終期限は2027年1月8日となっている。トークン名は明示されていないものの、影響を受ける可能性が最も高いのは最大規模のUSDTである。この決定は、ステーブルコインの流動性、取引ペア、入出金(オン/オフランプ)に関するEUの市場構造を引き締め、EU向けの取引所にとって運用面およびコンプライアンス面の摩擦を高める。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
BTC/USDT-0.57%
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▼ 弱気
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欧州証券市場監督局(ESMA)は、MiCA(暗号資産市場規則)の下で認可を受けた暗号資産プラットフォームに対し、同規則に適合しないステーブルコインに関連するサービス提供を停止するよう求めた。各国当局には、顧客の残存保有分の整理を進めるための対応期限として最大3カ月を与え、最終期限(外枠)を2027年1月8日とした。 ESMAは10月8日、各国監督当局向けの意見書としてこの方針を公表した。文書内で特定のトークン名は挙げていないものの、MiCAの認可を得ていないステーブルコインとして最大規模なのがTetherのUSDTであり、市場では本件の中心的な対象と受け止められている。 対象となるサービスは、取引プラットフォーム、交換(エクスチェンジ)サービス、注文執行、送金(移転)、カストディ、助言、ポートフォリオ管理まで幅広い。ESMAは、EUの顧客が非適合トークンを新規に取得したり保有エクスポージャーを増やしたりできないよう、各国当局が監督上の措置を講じるよう求めている。 ■ESMA意見書が求める対応 MiCA認可の暗号資産サービス提供者(CASP)は、MiCAがステーブルコインに用いる2区分(資産参照型トークン、電子マネー・トークン)について、非MiCA適合のトークンがEU域内の顧客に提供され続けないよう、技術面・契約面・組織面の統制を整備する必要がある。プラットフォームは、いかなるサービスを通じても当該トークンへのアクセスを維持・導入・仲介してはならない。 継続が許されるのは、限定的な「縮小(ウィンドダウン)」目的の行為に限られる。具体的には、既存残高の清算、換金(コンバージョン)、出金、移転、保管で、いずれも期間限定で、リスクに応じた枠組みの下、厳格な監督を受けることが条件となる。対象トークンの購入、販促、取引の提供は認められない。 今回の動きは、欧州におけるステーブルコイン規制の引き締めの一環で、中央銀行によるステーブルコインの利回り禁止の対象拡大に向けた動きも含め、規制環境が一段と厳格化している。 ■USDTが最大の焦点となる理由 USDTは時価総額ベースで最大のステーブルコインでありながら、MiCAの認可を取得していない。新たなガイダンスが実務に与える影響を最も象徴する、大規模な例として位置づけられる。第3位規模のPayPalのPYUSDも同様に未認可だという。 MiCAのステーブルコイン規則は2024年6月から適用が始まり、EU利用者に提供される米ドル・ユーロ連動型トークンの発行体に対して、認可、準備資産、償還、開示などの基準順守を求めている。一方、プラットフォーム側の規則は2026年7月1日に全面施行された。すでに一部事業者は先行して対応を進めており、RevolutはEU期限を前にUSDTを上場廃止したほか、他の取引所でも欧州向けにTetherやPayPalのステーブルコイン関連サービスを制限する動きが出ていた。ESMAの意見書は、この圧力を個別対応から域内の全認可事業者へと広げる形になる。 ■2027年1月8日の期限が意味するもの 10月8日の公表を起点に「3カ月」のカウントが始まるため、各国当局は既存の保有分に関する是正を可能な限り早期に求めることが見込まれる。最終期限(外枠)は2027年1月8日までとされた。 認可プラットフォーム上にUSDTなど非適合トークンを保有するEU利用者は、各プラットフォームの指示に従う必要がある。縮小期間中に売却や出金が可能な場合もある一方、プラットフォームによってはより早い段階で利用停止(カットオフ)が設定される可能性もある。 ESMAは、非適合ステーブルコインが認可プラットフォームで継続提供されれば、MiCAが認可発行体に課す準備資産、償還、ガバナンス、情報開示の枠組みが骨抜きになり得ると説明している。残高処理の具体的な運用は、最終的に各国当局が、3カ月の外枠の中で各プラットフォームごとに判断する。 ■よくある質問(FAQ) Q:MiCAのステーブルコインに関する期限は? A:ESMAが10月8日に公表した意見書は、各国当局に対し非MiCA適合ステーブルコインの残存保有分を最大3カ月で整理するよう求め、最終期限(外枠)を2027年1月8日としている。 Q:EUでUSDTは禁⽌されるのか? A:USDTはMiCAで認可されていないため、認可プラットフォームはEU顧客による新規購入や保有増を認められない。縮小期間中は、既存残高の売却、換金、出金、移転は認められる。 Q:対象となるステーブルコインは? A:MiCAに適合しないステーブルコインが対象となる。最大の例はUSDTとPayPal USD(PYUSD)。MiCAで認可されたユーロ・米ドル連動トークンは対象外となる。 Q:EUの取引所にある自分のUSDTはどうなる? A:利用しているプラットフォームの案内に従うこと。縮小期間中に売却や出金が可能なケースもあるが、非適合トークンについてより早期のカットオフが設けられる場合もある。 Q:なぜESMAは今動いたのか? A:ESMAは、非適合ステーブルコインが認可プラットフォームに残れば、MiCAが認可発行体に課す準備資産・償還・開示ルールを損なうと説明している。 免責事項:本記事は情報提供を目的としており、金融または法的助言を構成するものではない。