スタンダード・チャータード、ESMAのMiCA登録簿に追加 新たに37社が登録
AI マーケットサマリー
ESMAは7月1日の移行期限後、MiCA登録簿に37社を追加し、認可済みプロバイダー数を280社に引き上げた。これにより、認可を受けていない企業は新規のEU顧客の受け入れを停止し、必要に応じて事業を縮小・終了することを余儀なくされた。Standard Chartered、FalconX、Sygnumの追加は、機関投資家によるコンプライアンスの加速と、暗号資産サービスにおけるEU全域の"パスポーティング"の進展を浮き彫りにしている。CACEISによるEURXTユーロ・ステーブルコインの発行と、予測市場に対するESMAの精査は、規制の対象範囲の引き締まりと、行動面での期待事項の明確化を示している。
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欧州証券市場監督局(ESMA)は、EUの移行期間が7月1日に終了したのを受け、暗号資産サービスプロバイダー(CASP)を新たに37社、MiCA(暗号資産市場規則)登録簿へ追加した。これにより、認可済み事業者数は計280社となった。今回の更新にはスタンダード・チャータード、FalconX、Sygnum Europe、Ronin EMが含まれる。
あわせて、クレディ・アグリコル傘下で資産管理サービスを手がけるCACEIS(サンタンデールとも関連)は、電子マネー・トークン(EMT)発行体の登録簿に追加された。ユーロ連動のステーブルコイン「EURXT」をローンチしたことを受けたもので、これは各国の経過措置に依拠できなくなって以降、初の大規模な登録簿更新となる。認可を得ていない暗号資産事業者は、EU域内の新規顧客の受け入れを停止し、必要に応じてサービス縮小・終了手続きを進める必要がある。
ESMAのMiCA登録簿は6月26日時点の243社から、最新更新で280社へ増加した。MiCAは取引所、カストディアン、取引プラットフォーム、発行体など、域内でサービスを提供する暗号資産関連事業者に単一の枠組みを設ける制度で、伝統的金融機関と暗号資産ネイティブ企業の双方が登録対象となる。
国別ではドイツが57社で最多。フランスが31社、オランダが26社と続く。マルタとキプロスはそれぞれ20社が登録されている。
スタンダード・チャータードはルクセンブルク法人を通じてMiCAの認可を取得した。さらに同国の金融監督当局CSSFから電子マネー機関(EMI)ライセンスも取得。必要に応じた各国での手続きを前提に、MiCAのパスポート制度を活用してEU域内で暗号資産カストディや関連サービスの展開を広げることが可能になる。同行はEU向けデジタル資産カストディ事業の拠点として、2025年にルクセンブルク法人を設立していた。MiCA承認以前は、ルクセンブルクの国内VASP制度の下で事業を行っていた。
スタンダード・チャータード・ルクセンブルクのCEO、ローラン・マロキーニ氏は「MiCAおよびEMIライセンスを取得できたことを大変うれしく思う。これにより欧州全域の顧客に向けたサービスを段階的に拡大できる」とコメントした。一方、展開ペースは規制プロセスと顧客需要に左右されるという。
FalconXも7月1日の期限前に認可を取得しており、マルタ金融サービス庁(MFSA)から承認を得た。Sygnum Europeは、規制下での欧州展開を進めるデジタル資産銀行として登録簿に追加。Ronin EMも今回の更新に含まれた。
EMT発行体として登録されたCACEISは、イーサリアム上で発行するEURXTを開始。流通開始時点の供給量は約2,002万トークンとされる。EURXTはCACEIS Bankが保有するユーロ準備金により1:1で裏付けられ、機関投資家の決済用途やトークン化ファンドへのアクセスを主な対象とする。
ESMAは別途、予測市場(prediction markets)についても声明を公表し、一部のイベント連動型契約が既存のEU規則におけるバイナリーオプションに該当し得ると警告した。新たな規則を設けたわけではないが、各商品がMiFID IIの下で金融商品に当たるかどうか、事業者と各国当局が個別に精査する必要があるとした。金融商品と判断された場合、EUでのバイナリーオプションのリテール向け禁止が適用される可能性がある。
この見解は、KalshiやPolymarketなどのオフショア型プラットフォームに対する欧州での監視が強まる中で示された。スペインは5月、賭博ライセンスを欠くとしてKalshiとPolymarketを一時的に禁止。欧州の複数国の賭博当局も、FIFAワールドカップを前に無許可プラットフォームへの注意喚起を行っていた。