Coldcardで種(シード)生成の重大欠陥、2021年以降のファームウェアでエントロピー低下 更新だけでは不十分

AI マーケットサマリー
Coldcardは、2021年以降、エントロピーが低下したビットコインのシードを生成していた可能性がある、長期間にわたるファームウェアRNGの欠陥を開示し、修正した。ファームウェアのアップデートでは既に作成されたシードは是正されないため、ウォレットの完全な移行が必要となる。この問題に関連する盗難報告により、自己管理(セルフカストディ)の運用リスクが高まり、ユーザーがウォレットを入れ替えることでオンチェーンの送金活動が一時的に増加する可能性がある。このインシデントは、オープンソースレビューの限界と、ハードウェアウォレットに対する信頼の前提も浮き彫りにしている。
影響度
● 普通
影響を受ける資産
BTC/USDT-0.72%
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▼ 弱気
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ビットコイン向けハードウェアウォレットで知られるColdcardは、ウォレットのシード生成手順に関する重大な脆弱性を修正するファームウェア更新を公開した。注意点は、ファームウェアを更新しても過去に作成したシードの問題は解消しないことだ。該当するシードを使い続ける場合、資産を新しいウォレットへ移し替える必要がある。 問題は、2021年3月に出荷されたファームウェアv4.0.1以降で、シード生成時のエントロピー(乱数の不確実性)が大きく低下していた点にある。本来は推測困難であるべきマスターキーの元となる乱数生成が、想定以上に推測されやすい状態になっていた。 影響範囲は、2021年3月以降にリリースされ、2026年7月31日のパッチ公開前までのファームウェアを実行していたMk3、Mk4、Mk5、Qモデル。Coldcardの全製品ラインで、5年以上にわたりシード生成が潜在的に侵害され得る状態だったことになる。被害は机上の話にとどまらず、この脆弱性に関連するとされるビットコイン盗難が報告ベースで数億ドル規模に上るという。 Coldcardが2026年7月31日に公開した修正版は、Mk4/Mk5向けがv5.6.0、Q標準モデル向けがv1.5.0Q、旧Mk3向けがv4.2.0。いずれもgithub.com/Coldcard/firmwareのGitHubリポジトリで提供され、ソースコード、セキュリティアドバイザリ、変更履歴が含まれている。 同社は、新ファームウェアへの書き換え(フラッシュ)だけでは、欠陥のある手順で既に生成されたシードの根本問題は解決しないと明言している。影響を受けたシードは、どのバージョンのファームウェアを実行していても「侵害され得る」状態のまま残る。必要な対応はウォレットの全面移行で、修正版ファームウェア上で新しいシードを生成し、その新シードから導出されるウォレットへビットコインを全額移すことが求められる。 移行時の追加対策として、Coldcardは2つのリスク低減策を推奨する。1つ目は、少なくとも50回の独立したサイコロの出目を用いて、物理的なランダム性をシード生成に取り込む方法。2つ目は、BIP39パスフレーズを強固に設定し、シードに追加のエントロピー層を与える方法だ。いずれも、デバイス内部RNGが不完全である可能性に依存しないランダム性を加えられる点が利点とされる。 Coldcardは、アルトコイン非対応、DeFi連携を追わないなど、"ビットコイン専用の自己保管"を掲げて評価を築いてきた。今回の事案は、その根幹にある乱数品質の重要性を改めて浮き彫りにした形だ。同時に、オープンソースで公開されていたファームウェアが、エントロピーの欠陥を5年以上見逃す、または修正に至らなかったという点で、オープンソースの安全性モデルが抱える緊張関係も示している。