Coldcardの脆弱性悪用でハードウェアウォレットから1,816BTC流出
AI マーケットサマリー
Coldcardのハードウェアウォレットにおける鍵生成の欠陥により、攻撃者が秘密鍵を導出して約1,816 BTCを流出させることが可能となり、自己管理(セルフカストディ)およびハードウェアのセキュリティ前提に対する信認が損なわれた。この事案により、暗号資産全体でカストディおよびカウンターパーティーリスクの認識が一時的に高まる可能性がある。別途、米上院がDigital Asset Market Clarity Actの審議を延期したことで、規制の不確実性が長引いている。StrategyのBTC売却は供給を周辺的に押し上げる一方、MastercardによるBVNKの取引は、長期的にはステーブルコインのレールを下支えする。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
BTC/USDT+0.22%
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▼ 弱気
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今週のブロックチェーン/暗号資産(クリプト)分野の主な動き。ニュースと背景を週次で整理する。
■ 今週の注目
【Coldcardで鍵生成に欠陥、1,816BTCが流出】
ハードウェアウォレットは「オンラインに接続しない」ことから最も安全な保管手段とされてきたが、今週はオフラインであるだけでは防げないことが示された。Coinkite製のColdcardでは、問題は通信ではなく鍵生成そのものにあった。無効化されたハードウェア乱数生成器(RNG)の影響で、ファームウェアが代替の弱いソースに依存。マイコンのシリアル番号、システムカウンター、リアルタイムクロックのレジスタ値が使われ、いずれも秘匿情報ではないため、生成される秘密鍵が推測可能になった。
影響は2021年3月以降に作成されたシードで、対象モデルはMk2からQまで。攻撃者は複数回に分け、4,500超のアドレスから約1,816BTC(約1億1,600万米ドル)を流出させた。Coinkiteは修正済みファームウェアを提供し、出荷停止と脆弱な在庫の破棄を実施。企業への信頼に加え、ハードウェアウォレット全般への不信感も深まっている。
・Coldcardの脆弱性でビットコイン窃取:影響端末の鍵が算出可能に。これまでに約1,367BTCが流出。
【米上院、暗号資産市場法案の採決は秋以降へ】
「Digital Asset Market Clarity Act」は夏季休会前の採決に至らない見通し。多数党院内総務のJohn Thuneはクロージャー(討論終結)投票を予定しておらず、可決に必要な60票まで約10票不足しているという。
ここまでの道のりも長い。下院は2025年7月に294対134で可決。上院の所管委員会は度重なる遅延を経て、2026年1月と5月に追随した。枠組みとしては、デジタル・コモディティは先物規制当局CFTCが主導し、証券は引き続き証券規制当局SECが管轄する。
ただし3点が障害になっている。Ruben GallegoとThom Tillisは連邦職員および配偶者の「自己トークン保有」を禁止する条項を求める。Catherine Cortez Mastoはマネロン対策が甘いと主張。Cory Bookerも農業委員会テキストをめぐり交渉中だ。上院スタッフは膠着状態とし、現実的な日程として9月を挙げる。それまではSECとCFTCの解釈指針のみが適用され、将来の政権が撤回する余地がある。
・Clarity Actは夏季休会前に進まず:倫理・マネロン懸念が未解決。
【Ethereum、ステーキング報酬を段階的に焼却し実質ゼロ発行へ】
米ワシントンで管轄をめぐる議論が続く一方、Ethereumはプロトコル内のルール変更が焦点になっている。Ethereum FoundationのJustin Drake周辺の研究者が、ステーキング報酬を段階的に焼却する提案を提示した。草案名は「Tapered Issuance Burn」。7月中旬から俎上に載り、8月上旬からフォーラムで議論が進む。
ETH供給量の約50%がステークされた段階(約6,025万ETH)でネット発行量をゼロにする設計。現状の預け入れは約4,000万ETHで、コンセンサス層の利回りは年率約2.62%。18カ月の導入期間後は、そのうち約1.2%が残る見込みだ。共著者のJérôme de Tycheyは、閾値到達後に手を打つほど不均衡の是正幅が大きくなると主張する。
反対意見も広い。DeFi領域での二次的影響を十分に織り込んでいない点、年率2.62%という現状でも負担が大きいのに報酬がさらに薄くなる点が批判されている。
・Ethereum研究者が報酬焼却を提案:バリデータ集合に6,025万ETHが入るとネット発行ゼロへ。
【Strategy、ビットコイン売却で資本構成を立て直し】
上場企業で最大のビットコイン保有者が保有をさらに縮小した。Strategy(旧MicroStrategy)は8月初旬までの1週間で1,638BTCを約1億473万米ドルで売却。平均売却価格は1BTCあたり63,957米ドル。
保有残高は842,138BTCで、時価は約526億米ドル。取得原価は約635億米ドルで、未実現損は約110億米ドルに達する。売却資金はバランスシート再編に充当され、現金性資産(ドル準備)は40億米ドルへ増加。STRC優先株を額面比11%ディスカウントで買い戻した。6月に発表した総額20億米ドルの「Digital Credit Capital Framework」が土台となる。
業績面の圧力も強い。第2四半期の純損失は82.2億米ドル、株価は12カ月で75%下落。CEOのPhong Leは、資本蓄積から資本構成の継続的マネジメントへの転換だと説明している。
・Strategyが約1億473万米ドル相当のBTCを売却:3.01百万株の新株発行、STRC優先株を割安に買い戻し。
【Mastercard、ステーブルコイン決済を自前化へ:BVNKを買収】
Mastercardは8月初旬、ステーブルコイン決済プロバイダーBVNKの買収を完了した。買収額は15億米ドルに加え、業績連動のアーンアウトで最大3億米ドル。総額最大18億米ドルとなり、この分野ではStripeによるBridge買収(11億米ドル)を上回る過去最大規模となる。
BVNKは2021年にロンドンで創業。2025年末時点で年間約300億米ドルの決済を処理し、130超の国・地域をカバーする。顧客にはWorldpay、Deel、dLocalが名を連ねる。Mastercardにとっては取扱高に加え規制対応が重要で、BVNKはEUの電子マネーライセンスと、2月に取得したMiCA認可を持つ。技術はB2B決済、送金、企業財務フローなど4領域に組み込む方針。3月の暗号資産パートナープログラムや、USDC・PYUSD・RLUSDでのカード決済清算の取り組みを補完する。
・MastercardがBVNK買収を完了:最大18億米ドルでステーブルコイン基盤を拡充。
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