FRB内で10月利上げ観測に温度差、確率は50%割れ
AI マーケットサマリー
FRB当局者のメッセージの食い違いにより10月会合の織り込みが変化し、ウィリアムズ総裁が緊急性の低下を示唆したことで利上げの暗黙確率は50%を下回った。一方でバー理事は追加引き締めが見込まれると主張した。暗号資産にとっては、短期的な利上げ確率の低下が金融環境の圧力を和らげ得るが、道筋は引き続きデータ次第だ。今後発表されるPCEインフレデータは重要な触媒であり、ビットコインを含む利回り期待とリスク資産を迅速に再評価させる可能性がある。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
BTC/USDT+0.28%
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● ニュートラル
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米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言を受け、10月の追加利上げ観測が後退している。CMEのFedWatch(先物価格から利上げ確率を算出)では、先週時点で約70%と見られていた10月利上げの確率が、足元で50%を下回った。ビットコイン(BTC)を含む暗号資産市場にとって、金融政策の見通しが改めて焦点となる。
■9月の利上げ後、FRBは"急ぐ必要はない"
FRBは9月16日、政策金利を0.25%引き上げた。住宅ローンから企業向け融資まで、幅広い借入コストを押し上げる措置となった。
米ニューヨーク連銀総裁のジョン・ウィリアムズ氏(連邦公開市場委員会=FOMCの副議長)は、バッファロー大学での講演で、10月の利上げに慎重な姿勢を示した。9月会合での政策対応を踏まえ、「急ぐ必要はなく、追加の情報を集める時間がある」と述べた。
一方で、インフレ率3.7%については「疑いなく高すぎる」と指摘。年内に「もう1回の利上げが適切となる可能性がある」とし、追加利上げの余地は残した。FRBの2026年の残る会合は10月28日と12月9日。市場は発言を手掛かりに、10月利上げの確率を「五分五分」に近い水準まで織り込むようになった。
■理事バー氏は引き締め継続を示唆
対照的に、FRB理事のマイケル・バー氏はデトロイト・エコノミック・クラブで、よりタカ派寄りの見解を示した。FRBが重視するインフレ指標であるコアPCE(食品・エネルギーを除く)に言及し、過去20カ月で2%目標に沿った月は2回しかなかったと説明。「基本シナリオでは、インフレを適時に目標へ戻すため、追加の政策調整が必要になる可能性が高い」と語った。
インフレ圧力の一因として、人工知能(AI)関連投資による半導体需要の増加がチップ価格を押し上げている点も挙げた。
■ビットコインは"無風"ではない
金利が高い局面では、現金や債券の利回りが相対的に魅力を増し、ビットコインのようなリスク資産から資金が流出しやすい。利上げが先送りされれば、リスク資産には一定の猶予が生まれる。
もっとも、ウィリアムズ氏もバー氏も年内の追加利上げを否定していない。ウィリアムズ氏は「年末にかけて」を示唆し、バー氏は追加利上げが「必要になりそうだ」と述べた。
ビットコインはこれまでのところ底堅い動きが続く。BeInCryptoによれば、9月の利上げ後に機関投資家の買い戻しが入り、上昇率は13%に達したという。足元では24時間で0.2%上昇にとどまっている。
次の注目材料は、水曜日に公表される8月のPCEインフレ統計だ。結果が強い内容となれば、10月利上げ確率が再び上昇し、週初に一時示された70%近辺へ戻る可能性がある。