CFTC、暗号資産市場規制案をホワイトハウスに提出 上院でCLARITY法案が前進できず
AI マーケットサマリー
上院がCLARITY法案の前進に失敗した後、CFTCは規制前段階の暗号資産市場フレームワークをホワイトハウスのOIRAに提出し、規制当局が既存のコモディティ取引法の権限を用いて先に進む可能性があることを示唆した。OIRAの審査は、いかなる公表、委員会での採決、意見募集期間にも先行するため、短期的な影響は主に政策の不確実性と、米国向けの取引所およびレバレッジ/マージン暗号資産取引における規制関連ヘッドラインリスクの高まりである。
影響度
● 普通
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商品先物取引委員会(CFTC)は9月17日、暗号資産市場に関する規制枠組み案をホワイトハウスの審査に付した。上院でデジタル資産市場の包括法案が手続き上の壁に直面したことを受け、既存権限の範囲でルール整備を進める構図が鮮明になっている。
米行政管理予算局(OMB)傘下の情報・規制問題局(OIRA)の公開台帳には、「Regulation Crypto Asset Transactions and Regulation Crypto Asset Markets(暗号資産取引および暗号資産市場の規制)」として、RIN 3038AF80が審査待ち案件として掲載された。OIRAは本件を事前段階(prerule)に分類しており、審査完了の法定期限は示されていない。提出は新たな取引ルールの発効を意味せず、あくまで行政側の事前レビューが開始された形だ。現時点で提案条文や対象市場は公表されていない。
この動きが注目されるのは、議会がH.R. 3633(Digital Asset Market Clarity Act、いわゆるCLARITY Act)を通じた広範な法的枠組みをまだ整備できていないためだ。OIRAは連邦官報(Federal Register)掲載前に規制案件を審査する。2025年2月の大統領令により、独立機関も対象となる提案規則・最終規則は、連邦官報での公表前にOIRAへ提出することが求められており、今回の審査はその手続きに沿う。
上院では9月15日、H.R. 3633の審議入りに向けた動議に関するクロージャー(討論終結)採決が49対50で否決され、5分の3要件に届かなかった。これは法案の最終採決ではないものの、当該段階での審議入りが止まった。CLARITY Actはデジタル・コモディティの枠組みを創設し、CFTCと証券取引委員会(SEC)の所管分担を定める内容で、取引プラットフォームやデジタル・コモディティ活動も対象に含む。クロージャーに反対した民主党上院議員7人は翌日、超党派協議の継続姿勢を示したが、再度の上院採決日程は設定されていない。
CFTCのマイケル・セリグ委員長は8月20日のイノベーション諮問委員会で、議会立法が進まない場合に備え、商品取引所法(Commodity Exchange Act)に基づく既存権限で暗号資産市場構造を制度化するルールの検討を職員に指示したと説明した。セリグ氏が示した構想では、既存の登録事業者に加え、一部の未登録暗号資産取引所についても、指定契約市場(DCM)として、特に「暗号資産市場(crypto asset market)」の指定を求める道を開く可能性がある。指定を受けた場では、CFTCルールの下でレバレッジ取引やマージン取引の提供が想定される。オンチェーン金融プロトコルの開発者に関する法的整理ルートについても検討を求めたという。
OIRA審査の後、案件は修正調整を経てCFTCに戻され、委員会による採決を経たうえで提案規則として公表され、パブリックコメント(意見募集)期間に入る見通しだ。市場参加者はこの段階で意見を提出でき、最終案の策定に反映され得る。意見募集後にCFTCが案を改訂した場合、最終規則の採択には改めて委員会の採決が必要となる。
なお、CFTCの委員は法律上5人とされる一方、現時点で公式サイトの委員一覧に掲載されているのはセリグ氏のみで、同氏は2025年12月に就任した。
CFTCは既存法の枠内で、規制対応も並行して進めている。9月17日には、登録されたデリバティブ市場や仲介業者と利用者を接続する一定の受動的ソフトウェア提供者に対し、要件を満たす場合のノーアクション・リリーフ(執行猶予)を職員が示した。SECも暗号資産やトークン化市場に関する別途の施策を進めており、議会が市場構造の包括立法を検討する間、当局は手持ちの権限で個別のルール整備を進める展開となっている。
本記事は情報提供を目的とし、法律・金融・投資助言を構成しない。規制提案は行政審査、意見募集、最終ルール策定の過程で変更される可能性がある。