ビットコインが6万5,000ドル台に回復、トランプ氏が米国の暗号資産主導を強調

AI マーケットサマリー
ビットコインは6万5,000ドルを上回って推移し、暗号資産に前向きな米国の政治的メッセージ、現物ETFの継続的な純流入、および価格が7月レンジ上限を試す中で報じられた大口投資家による買い集めに支えられた。別途、米国の雇用統計の弱さが広範なリスクセンチメントを押し上げ、FRBの政策が据え置かれるとの見方を強め、株式とともに暗号資産の追い風となった。CLARITY法を巡る立法上の不確実性は、短期的な政策面の重しとして残っている。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
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ビットコイン(BTC)は金曜日、6万5,000ドルを上回った。ドナルド・トランプ米大統領が米国の暗号資産(クリプト)産業への支持を改めて表明し、相場の追い風となった。トランプ氏は暗号資産を「大きな存在(big deal)」と位置づけ、ワシントンがデジタル資産政策の推進を鈍らせれば中国が優位に立ち得ると警鐘を鳴らした。発言は、BTCが7月のレンジ相場上限を試す局面で出た。 トランプ氏は、デジタル資産分野で米国が先行優位を守るべきだと主張し、中国を名指しして北京に主導権を渡してはならないと述べた。暗号資産を人工知能(AI)と並べ、国際競争の行方を左右する技術だとも語った。 一方、議会では上院の8月休会前に「CLARITY Act」を前進させられず、次の進展機会は9月に持ち越された。同法案はデジタル資産取引に関する連邦ルールの整備と、規制当局の監督権限の役割分担を明確化する狙いがある。暗号資産保有をめぐる連邦高官向けの倫理規定案についても議論が続いており、一部民主党は大統領の暗号資産利害への制約強化を支持条件に掲げている。トランプ氏は資産をブラインド・トラストに移す可能性に言及する一方、米国の暗号資産活動を萎縮させる規則には否定的な姿勢を示した。 価格面では、BTCはここ数週間の持ち合いを上抜け、金曜日に6万5,000ドルを回復。7月初旬以降の取引レンジは概ね5万8,076ドル〜6万6,896ドルで、直近の上昇により上限に接近した。目先の技術的水準としては6万6,900ドルが意識される。金曜日のセッションでは6万5,250ドル近辺で推移し、直近1カ月では4%超上昇した。主要アルトコインの値動きは相対的に小さい一方、売買の勢いは過去の上昇局面ほど強くない。 保有動向では、小口が持ち高を落とす一方で大口が積み増す構図が鮮明になっている。Santimentによると、10〜10,000BTCを保有するウォレットの残高は7月29日以降で0.34%増加。0.01BTC未満のウォレットは同期間に0.59%減少した。大口の蓄積(アキュムレーション)が進む一方で個人投資家がポジションを縮小しており、7万ドル水準への再トライを支えられるかが注目される。 需要面では、米国の現物ビットコインETFにも資金流入が続く。Finboldによれば、8月の純流入額は月初来で約7億5,469万ドル、合計純資産は約787億7,000万ドルに達した。ETF経由の買いは、価格が6万6,896ドル近辺の上値抵抗に近づく局面で追加需要として働きやすい。ここを明確に上抜ければ、トレーダーの視線は再び7万ドルに向かう。 マクロ環境もリスク資産を下支えした。金曜日に発表された米雇用統計では、7月の非農業部門雇用者数が2万3,000人減と、市場予想(8万3,000人増)を大きく下回った。失業率は4.1%へ低下した一方、労働参加率は5年以上ぶりの低水準に落ち込んだ。これを受けて株価指数先物は上昇し、9月の米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を据え置くとの見方が強まった。ナスダック100先物は1.2%高、S&P500先物は0.5%高、ダウ先物は約160ポイント上昇。フェドファンド金利の織り込みでは、来月の政策金利レンジが3.50%〜3.75%となる見方が優勢だった。 雇用指標の発表後もBTCは6万5,000ドル台を維持。原油安が市場全体の重しを和らげる中、金と銀は上昇した。