BTC、一時8.1万ドル割れ 米政府の送金・マイナー売り・短期保有者の投げで急落

AI マーケットサマリー
BTCが8.1万ドルを下回った下落は供給主導として位置づけられている。米国政府によるCoinbase Primeへの移転、マイナー関連のWBTC売り、短期保有者が損失状態で取引所へ流入していることに加え、ロング主導の約11億ドルの清算が挙げられる。Glassnodeは、現物/ETFの出来高が低調で純増の新規資本が限定的であると指摘し、需要の脆弱さを示唆している。長期的な指標はクジラ/マイナーの圧力が緩和しつつあることを示す一方で、短期のボラティリティと清算リスクのゾーンは高止まりしている。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
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▼ 弱気
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今朝早く、ビットコイン(BTC)は一時8万1,000ドルを下回り、8万400ドルまで下落した後に反発して8万2,000ドル台を回復。足元は8万2,500ドル近辺で推移している。イーサリアム(ETH)も一時2,400ドル前後まで下げ、現在は2,500ドルを下回っている。 過去24時間では、市場全体で約18万人のトレーダーがロスカットとなり、清算総額は約11億ドルに達した。内訳はロングの清算が約9億3,500万ドルと大半を占める。 Glassnodeによると、取引所におけるBTC現物およびBTC ETFの7日移動平均取引高は約68億ドルで、2024年1月以降の期間の約90%を下回る低水準だった。さらに、10月5日までの30日間で暗号資産市場のRealized Market Cap(実現時価総額)の増加は約128億ドルだった一方、ETF・ステーブルコイン・企業の準備金による買い付けは合計約49億ドルにとどまった。残りは既存保有分の高値での入れ替え(回転)によるもので、直近の上昇は高値追いの買いが主導した面が大きいことを示唆する。 一方で売り圧力は急増しており、米政府、大手マイニング勢、BTC短期保有者がそれぞれの形で持ち高を落としたことが、今回の急落の引き金になったとの見方が強い。中長期では、Q4(第4四半期)にかけて上昇基調を維持するとの期待も根強い。 ■直近の主な売り手:米政府・大手マイニング勢・短期保有者 この3日間の下落局面は、主に以下3主体の売却(または売却懸念)による影響が大きいとされる。 【米政府】3日間でCoinbaseに15.4億ドル超相当のBTC移動、BTCは6.9%下落 Lookonchainの監視によれば、米政府は過去3日間でCoinbase Primeに17,733BTC(約14.8億ドル)を入金し、加えて750WBTC(約6,200万ドル)も移した。この期間にBTC価格は6.9%下落した。Coinbase Primeはカストディと取引の両機能を持つため、移動が即座に全面売却を意味するとは限らない。 Galaxy Researchのオンチェーン追跡では、米政府は現在約319,100BTCを保有し、その約71%はLuBian関連とされるBTCおよびBitfinexから回収された資金に由来する。今回移動したBTCも押収資産とみられる。とはいえ政府アドレスの動きは市場心理を冷やし、パニック的な売りを誘発しやすい。 【マイニング勢】F2Pool共同創業者とされるWang ChunがWBTC約1,931万ドルを売却しETHを取得 オンチェーンアナリストYujinによると、F2Pool共同創業者Wang Chunのアドレス(0xF42...2b51)が、今朝のBTC下落後に235.5WBTCをオンチェーンで売却(約1,931万ドル)し、7,848.5ETHを受領した。取引時のETH価格は2,460ドル、ETH/BTCレートは0.03とされる。 【BTC短期保有者(STH)】投げ売りで売り圧力が約4カ月ぶり高水準 CryptoQuantのアナリストDarkfostは昨夜22時頃、BTC短期保有者(STHs)に明確なパニックの兆候があると指摘。過去24時間でSTHが取引所へ送ったBTCは5万BTC超と単日ピークに達した。このうち約2万9,500BTCは損失確定での移動で、流入全体の約59%を占め、過去4カ月で最大規模の損切りとなった。 当時BTCは8万2,000ドル近辺で推移していたが、その後夜間に8万500ドル前後まで急落。短期保有者の売りはタイムラグを伴って価格に効いてくる可能性が示された。 ■市場の大局:回復局面は維持、長期の売り圧力は低下 清算密集帯は8万1,700ドル、7万5,000ドル、6万ドル台 短期の売りはなお重いものの、中長期でみるとBTCおよび市場全体は「価格回復局面」にあり、8月以前に比べ長期筋の売り圧力は大きく後退したとの見方がある。 1)クジラの売りが一服 Glassnodeは10月5日、BTCクジラの取引所への純流入トレンドが停止したと発表。夏以降3カ月超続いたこの動きは、2023年以降の類似局面の中でも最長級で、8月後半に終了し、その後は資金フローが継続的にマイナスで推移しているという。大口の売り一巡と長期保有の継続が示唆される。 2)マイナーの大規模売却が沈静化 CryptoQuantは昨日、BTCマイナーが直近で大規模な売却を停止したと指摘。BTCが8月21日に7万6,000ドルまで下げた後、マイナーの採算状況が「極端に厳しい」から「妥当」に改善して以降、極端な流出は観測されていない。CryptoQuantは、(原文の表現では)2026年の弱気相場においてマイナー売りが主要な供給源だったとし、この恒常的な売り圧力の後退は需給の緩和につながる可能性があるとしている。 3)現物需要の改善、リスクはピークアウトの兆し Darkfostは昨日、BTC需要が顕著に改善し、とりわけ現物需要が回復していると投稿。総需要はプラス圏に戻り1万4,000BTC超、先物需要は最近平均で約3万2,000BTCと比較的安定。現物需要は約1万7,000BTCで、なおマイナス圏にあるものの、9月20日時点の約20万7,000BTCから大幅に改善したとする。価格下落と需要回復の同時進行は、ポジティブなシグナルになり得るという。 4)清算ヒートマップ:上は薄く、下に帯が集中 Glassnodeが10月7日に公表した2カ月の清算ヒートマップ(レバレッジ先物の清算価格帯を推計)では、価格より上に位置する清算水準は約17%にとどまり、BTC近辺の支持帯は過去1週間で約半分拡大した。 ・直近の大きな清算ゾーン:8万1,700〜8万3,300ドル(現値のすぐ下) ・次の水準:7万5,000ドル近辺 ・最大の帯:6万〜6万3,000ドル 価格がこれらのレンジに踏み込めば、ロングの強制清算が下落を増幅させるリスクがある。 ■見通し:弱気継続説、現物確認待ち、Q4強気の三つ巴 今後の方向感をめぐり、市場の代表的な見方は大きく3つに分かれている。 【1:慎重派(伝統金融)】「弱気相場は終わっていない可能性」 Fidelity Digital Assetsのリサーチ担当VP、Chris Kuiperは10月7日、「弱気相場はまだ終わっていないかもしれない」と述べた。8月以降の上昇は新たな上昇トレンドの始まりである可能性がある一方、弱気相場内の戻りに過ぎない可能性もあり、「価格上昇だけでは弱気の終焉は保証されない」と指摘。4年サイクルでは11月が重要な観測ウィンドウ(前回の弱気相場の安値は2022年11月)としつつ、歴史は正確には繰り返さないとも強調した。 前向きな材料としては、6月から8月中旬まで低位だったボラティリティがその後急上昇した点を挙げ、過去の弱気相場の底入れ局面に似たパターンで、売り圧力の枯渇が近い可能性があるとした。ステーブルコインの移転、RWA、機関投資家の参加も拡大しているという。投資銀行TD Cowenも最近、BTCの目標水準を引き上げ、2026年末に約10万9,000ドル、2029年に28万ドルを見込む。 【2:暗号資産アナリスト】強気地合いは維持、ただし現物指標の裏付け待ち Darkfostは10月6日、Bitcoin Bull Score Indexが強気圏を維持し、現在80/100だと投稿。複数の指標が上昇モメンタムを支持する一方、相対的に遅れているのは現物需要だという。現物出来高が低く、目立った現物買いがまだ入っていないためで、現物需要は今回の相場で欠けているピースであり、通常は最後に立ち上がる要素だと述べた。 【3:トレーダー】Q4上昇を想定する声 著名トレーダーAnsemは10月上旬、BTC・ETH・SOLが直近レンジ高値を維持し、値動きは健全と指摘。まだ大規模清算は起きていないが、市場参加者のポジションは不利な側に偏っている可能性があり、上値余地があるとみる。10月は調整と建玉(OI)の整理が起きる可能性がある一方、強気サイクルは初期段階で、高レバレッジのロングはリスクが高く、確度の高い現物は相対的に優位とした。 トレーダーKillaは昨日、BTCが再び8万7,000ドル超えに失敗したとし、2度目の高値試し後の上抜けを狙った10倍ロングは建値で損切りになったと投稿。足元は8万〜8万2,000ドルを注視し、10倍ロングの再エントリーを検討しているという。加えて、6万2,600ドルと7万6,400ドルのBTCロングは保有継続。新規ロングを急ぐ理由はないが強気スタンスは維持し、上昇余地を見込む。低サイクルのボックス局面であり、上位時間軸中心の取引とリスク管理の重要性も強調した。 強気一色ではなく、弱気派も当然存在する。暗号資産市場では常に反対売買があり、状況に応じてポジションを機動的に変える参加者がいる。 ■クジラ「Start with ten big goals」:7万9,000ドル割れで縮小、日足終値で7万8,000ドル割れなら全ロング解消 クジラとして知られる「Set Ten Big Goals First」は本日、米国債利回り上昇、利上げ観測の強まり、原油高といったマクロ逆風が重なる中でもBTCの下げは約5%にとどまっているとして、トレンドは強いとの見方を示した。BTCが直ちに7万8,000ドルや7万4,000ドルまで下落するとは想定していない一方、ストップ条件として、7万9,000ドルを割れば段階的にポジションを落とし、日足終値で7万8,000ドルを下回れば残りのロングを全て閉じると述べた。 ■Yi Lihua:7万9,000ドル割れを想定 強気相場観は維持、ショートはしない Yi Lihuaも本日、BTCが8万2,000ドルを割り込み、次のサポートは7万9,000ドルだと指摘。直近2日間の下落ペースを踏まえると調整はまだ終わっておらず、7万9,000ドル割れがより起こりやすいとし、その後は7万5,000ドル近辺の値動きを見極める考えを示した。加えて、BTCは8万6,000ドル近辺で調整すると以前からみていたものの、トレンド自体は強気と捉えているためショートはしなかったと述べ、強気相場では押し目は通常の変動として受け止め、「押し目は監視するがショートはしない」方針で、調整の完了を待って買いを検討するとした。